「出っ歯を押してたら治った」というインターネットの噂が気になる人は少なくないでしょう。
しかし前歯を押すだけで出っ歯を治すことはできません。
※ここでいう出っ歯とは、上の歯が4mm以上前に出ている歯並びを指します
出っ歯を治すには、歯列矯正で適切に歯を動かす必要があります。
誤った方法で歯に力を加えると、歯に悪影響が生じるリスクがあります。
この記事では、出っ歯を押して治すリスクや、出っ歯を治す方法、それぞれの特徴、費用などについて解説しています。出っ歯を放置するリスクも紹介しておりますので最後までご覧ください。
目次
1.出っ歯を押しても治らない
出っ歯を自力で押して治すことはできません。
出っ歯とは、上の前歯が下の前歯より前方に出ている状態のこと。
通常は上の前歯が下の前歯より2〜3mm前方に出ているが、4mm以上前方に出ていると出っ歯と診断される。 |
インターネットには、前歯を押して出っ歯を治す方法や、わりばしを咥えて噛み合わせを改善する方法などを提唱する人もいます。
しかし、自力で出っ歯を治すのは危険な行為にあたるのでやめましょう。
歯科矯正でも歯に力を加えることで歯列を整えますが、専門知識がないと、歯が正しくない方向に動いてしまったり、歯が欠けたりするリスクがあります。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
(1)そもそも歯が動く仕組みとは
歯に力を加えて動かす仕組みについて、詳しく解説します。
歯の構造は、「歯冠」と「歯根」の2つに分かれています。
歯は、歯根を覆っている歯根膜によって歯槽骨(歯茎の骨)に固定されています。
歯科矯正では、歯に弱い力をじっくり加えることで、歯根膜の新陳代謝を促します。
これにより、歯根膜の破骨細胞(骨を溶かす細胞)のはたらきを活性化し、歯槽骨などを変形させ、結果として歯を動かしていくわけです。
(2)歯を押すことよって生じるリスク
歯を押しても、上記のような原理により、一時的に歯が動く可能性はあります。
しかし、素人が自力で歯を押すと、健康上のリスクが生じます。
具体的には、歯の神経が死んだり、歯が折れたりする可能性があります。
また、無理に押したことで、歯根吸収が起きる恐れもあります。
歯根吸収とは、歯の根っこの部分が周囲の骨に吸収され、短くなる現象のことです。これは、歯の寿命が短くなる原因のひとつに該当します。
通常の歯科矯正では、専門的な知識・経験に基づき、適切な力を歯に加え、ゆっくりと動かしていきます。
歯科医師が治療を行った場合でも、「イメージ通りにならなかった」「歯の痛みや違和感が強かった」と不満が生じることがあります。それほど矯正の難易度は高いです。
関連記事:歯科矯正でよくある7つの失敗事例!防ぐ方法と失敗後の対応も解説!
自分で歯を動かしても上手く治すことができなかったり、健康上のリスクが顕在化したり、余計に治療費がかかるリスクもあります。
出っ歯が気になっている方は一度専門の歯科医師に相談しましょう。
(3)「歯を動かすスペース」の重要性
矯正を希望する人の中には、顎の骨が小さく、歯を動かすためのスペースに余裕がない人もいます。
こうしたケースでは、まず抜歯や歯の研磨(IPR)などを行い、「歯を動かすスペース」を作ります。
これは安全かつ効果的に歯を動かすために必要な施術です。無理やり動かすと、歯並びがむしろ悪化する恐れもあります。
言うまでもないことですが、歯を自力で押すだけでは、この「歯を動かすスペース」を作ることができません。
抜歯や歯の研磨が必要かどうか知りたい方は、まずは専門の医師に診断してもらいましょう。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
2.出っ歯を治す方法
出っ歯は指で押して治るものではありません。
そこで、出っ歯を治す矯正方法の種類をご紹介します。
- 全体矯正/部分矯正
- マウスピース矯正
- 表側矯正
- 裏側矯正
(1)全体矯正/部分矯正
出っ歯を治す矯正方法は、矯正範囲別に分けると、「全体矯正」と「部分矯正」の2種類があります
全体矯正は歯列全体を矯正する治療であり、部分矯正は一部の歯列を矯正する治療です。
基本的に全体矯正は部分矯正より矯正期間が長く、費用が高額になります。
ただ、前歯だけでなく、歯列全体を矯正できるため、噛み合わせまで治療可能です。
一方、部分矯正は矯正期間が短く、費用を抑えられますが、噛み合わせまでは治療できません。
嚙み合わせの改善は、長期的な歯の健康を守る上で非常に重要なので、問題がある場合は治療するのがおすすめです。
「自分がどの矯正方法が向いているかわからない」という人は、無料相談を行っているクリニックもあるので、一度相談すると良いでしょう。
(2)マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、少しずつ形の違うマウスピースを順番に交換して力をかけることで歯を動かしていく矯正方法です。
使用するマウスピースは透明で、装着していることが気づかれにくいため、人気が高まっています。
適切な効果を得るには、1日約20時間の装着が必要になりますが、食事や歯磨きのときには取り外せるのも人気の理由です。
費用目安は、全体矯正の場合60〜100万円、部分矯正の場合10〜40万円です。
マウスピース矯正のその他の特徴は以下のとおりです。
初診による対面診断のあとは、最低限の通院で矯正を行っていただけます。
(3)表側矯正
表側矯正とは、ブラケットと呼ばれる金具とワイヤーを歯の表側に装着し、ワイヤーの力によって歯を動かす矯正方法です。
もっとも歴史のある矯正方法で、矯正と聞くと多くの人が表側矯正をイメージする人は多いでしょう。
ブラケットやワイヤーは、金属製を使うのが一般的です。
しかし、金属素材は目立ってしまうため、白色や透明の目立ちにくい素材を使っているクリニックもあります。
費用目安は、全体矯正の場合60〜130万円、部分矯正の場合30〜60万円です。
表側矯正のその他の特徴は以下のとおりです。
(4)裏側矯正
裏側矯正とは、ブラケットとワイヤーを歯の裏側に装着し、ワイヤーの力によって歯を動かす矯正方法です。
歯の裏側に矯正装置を装着するため、表側矯正と比較して矯正していることがわかりづらいのが特徴です。
しかし、表側矯正より高い技術が必要になるため、対応していないクリニックもあります。
費用目安は、表側矯正と比較しても高めになります。
全体矯正の場合100〜170万円、部分矯正の場合40〜70万円です。
裏側矯正のその他の特徴は以下のとおりです。
3.【写真あり】hanaraviで出っ歯を矯正した事例
実際に、hanaraviで矯正した人のケースと費用をご紹介します。
※治療の効果や期間には個人差があります。
症状 | 上顎前突(出っ歯) |
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費用 | ¥450,000(検査代+処置代+アライナー代+リテーナー代込み) |
期間 | 約8ヶ月 |
年齢 | 21歳 |
性別 | 女性 |
治療内容 | 11番、21番の前突をマウスピースにて舌側傾斜させて改善。 |
リスク | 歯を動かすことによって歯と歯肉との間に隙間ができてしまうことがございます。この場合は歯を削る処置を行い歯同士をより密着させて隙間を無くす処置をとります。歯を動かすことによって歯根が短くなり、治療後に歯がグラグラしてしまう事が考えられます。先天的な要因でそのリスクが高い方にはレントゲンによる画像診断を行います。矯正治療中に歯に大きな力が加わると稀に歯の神経が死んでしまうことがございます。矯正治療によって噛み合わせが変化し、顎関節症になってしまうリスクが考えられます。多くの場合は経過観察を行っていく中で自然に治っていきます。 |
こちらの事例は、上顎の歯が前に飛び出し、出っ歯になっている状態です。
マウスピース矯正により、突出している歯を舌側に傾けることで、出っ歯を改善しました。
治療期間は約8ヶ月、治療費用は約45万円(税込)です。
4.出っ歯を矯正するメリットとデメリット
出っ歯を矯正するメリットとデメリットをご紹介します。
(1)矯正治療によるメリット
出っ歯を矯正するメリットは以下の3つです。
- コンプレックスの解消・自信につながる
- 身体的な不調を改善できる
- 歯周病や虫歯、口臭の予防になる
順にご紹介します。
①コンプレックスの解消・自信につながる
出っ歯の治療は、コンプレックスの解消につながます。
矯正を通じて「笑顔に自信を持てるようになった」という人も少なくありません。
なお、噛み合わせに問題がある方は、滑舌や発音の改善も期待できます。
口元の見た目・滑舌などが気になる場合、クリニックで相談してみるのがおすすめです。
②身体的な不調を改善できる
出っ歯のケースのなかには、噛む力が偏っており、咬筋などに負担がかかっているケースも少なくありません。
この状態が長期間続くと、顎関節症や肩こり、頭痛などの身体的な不調が発生する可能性があります。
噛み合わせを整えることで、こうした身体的な不調を改善できます。
③歯周病や虫歯、口臭の予防になる
出っ歯の治療は、歯周病や虫歯、口臭の予防につながります。
歯列が整うと口腔ケアを行いやすくなり、磨き残しが減るためです。
また、出っ歯の影響によって口が開きやすくなっている場合、矯正によって口が閉じやすくなると、口腔内の唾液量が増えます。
唾液には殺菌効果や歯垢を洗い流す効果があるため、その量の増加は歯周病や虫歯、口臭の防止につながります。
(2)矯正するデメリット
出っ歯を矯正するデメリットは以下の3つです。
- 時間や手間、費用がかかる
- 矯正中の見た目が気になる
- 治療に痛みを伴う場合がある
順にご紹介します。
①時間や手間、費用がかかる
歯科矯正には長期的な時間が必要になります。
出っ歯の治療期間の目安は、全体矯正の場合は1〜2年程度、部分矯正の場合は数ヶ月〜2年程度です(矯正方法によって異なります)。
矯正装置を装着し、実際に歯を動かす期間のほか、検査などの治療前の期間や、治療後の保定期間(動かした歯の位置を定着させる期間)も必要になります。
なお、これらの期間中には定期的な通院の手間も発生するので注意が必要です。
※hanaravi(ハナラビ)のマウスピース矯正なら、LINEやカメラを使って自宅で診察を受けられるため、必要最低限の通院回数で治療を進められます。
また、歯科矯正は基本的に保険適用外の治療になるので、高額な治療費が発生します。
費用の目安は、全体矯正の場合は60〜130万円程度、部分矯正の場合は30〜60万円程度です(矯正方法によって異なります)。
以下の記事では、出っ歯の矯正にかかる費用や期間について詳しく解説していますのでご覧ください。
関連記事:出っ歯の矯正にかかる値段は?相場や期間、出っ歯のデメリットを紹介
②矯正装置の見た目が気になる
歯科矯正には、治療中の見た目の問題があります。
とくに表側矯正の場合は、歯の表側に矯正装置をつけるため、見た目が目立ちます。
矯正中の見た目が気になる人は、マウスピース矯正や裏側矯正を検討すると良いでしょう。
なお、マウスピース矯正なら矯正装置の脱着が可能なため、特に気になる場面(結婚式など)では取り外すことも可能です。
③治療に痛みを伴う場合がある
歯科矯正では、歯に力を加えて動かすため、多かれ少なかれ歯の痛み・違和感を感じます。
とくに治療を始めたばかりの時期は痛みなどを強く感じます。
ワイヤー矯正の場合、矯正装置のワイヤーやブラケットが唇や歯茎などに接触し、傷がついたり、口内炎になったりする可能性もあります。
一方、マウスピース矯正の場合は、ワイヤー矯正と比較して、痛みや違和感が少ないといわれています。
マウスピース矯正のhanaravi(ハナラビ)がお客様にアンケートを行ったところ、36.84%の人が「ほとんど痛い期間がなかった」、痛みを感じられた人でも31.58%の人が「1日以内に痛みがおさまった」と答えられました。「4日以上痛みが続いた」と回答された人は0%です。
hanaravi(ハナラビ)では無料相談を実施しているので、矯正中の痛みや不快感について気になる人は、一度ご相談ください。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
5.出っ歯を放置するリスク
出っ歯を放置するリスクは以下の4つです。
- コンプレックスが強くなる
- 歯周病や虫歯の原因になる
- 前歯を損傷する恐れがある
- 顎関節症の原因となる
順にご紹介します。
(1)コンプレックスが強くなる
出っ歯を放置している間は、見た目のコンプレックスが生じやすいでしょう。
自分の出っ歯が気になってる人のなかには、笑顔を抑えたり、人前で口を開けることを避けたりする人も少なくありません。
見た目の良さは収入にも影響すると言われています。
Daniel S.Hamermesh氏が行った調査では、容姿が悪い人々の時給は平均で10%低く、容姿が良い人々の時給は平均で5%高かったといいます。
こうしたデータからも、出っ歯の改善を含む自分の容姿に関する投資にはメリットが多いと考えられます。
(2)歯周病や虫歯の原因になる
前述のとおり、出っ歯の改善は、歯周病や虫歯の防止につながります。
将来的な治療費やQOL(生活の質)を鑑みると、出っ歯の改善により、歯周病等を予防する価値は高いと思われます。
(3)前歯を損傷する恐れがある
出っ歯に関するトラブルとして意外に多いのが、前歯の損傷です。
出っ歯の人は、前歯がほかの歯よりも突き出ているため、転倒や衝突、スポーツなどによって前歯が折れたり、欠けたりする可能性が高いです。
出っ歯を放置することで、こうしたリスクが顕在化する恐れもあります。
(4)顎関節症の原因となる
前歯には食べ物を噛み切る役割があります。
しかし、噛み合わせに問題を抱えた出っ歯だと、奥歯を使って噛み切る頻度が多くなります。
これにより、奥歯や咬筋、顎関節に無駄な負担がかかっている場合、顎関節症につながる恐れがあります。
顎関節症になると、顎関節の痛みや、大きく口を開けられないといった症状が現れます。
重症化すると、日常生活に影響を及ぼす可能性もあります。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
6.出っ歯の治療を受けたあとに注意したいこと
最後に、出っ歯の治療後に注意したい3つのポイントをお伝えします。
- リテーナーを装着して後戻りを防ぐ
- 舌で前歯を押したり爪を噛んだりするクセをやめる
- 定期的にメンテナンス(歯科検診)を受ける
順にご紹介します。
(1)リテーナーを装着して後戻りを防ぐ
歯科矯正の治療後は、歯は元の位置に戻ろうとする力が働きます。
これを「後戻り」といいます。
後戻りを防ぐために、治療後はリテーナー(保定装置)を装着し、動いた歯が元の位置に戻らないようにしなければいけません。
リテーナーを装着する期間は治療期間と同程度必要になるため、治療が1年ならリテーナーも1年程度装着します。
hanaravi(ハナラビ)では、以下のように装着することをおすすめしています。
- 治療終了後1年間目は1日20時間装着
- 治療終了後2年間目以降は徐々に頻度を落とし、夜間のみ装着
頻度の詳細については、担当の医師に相談するようにしてください。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
(2)舌で前歯を押したり爪を噛んだりするクセをやめる
舌で前歯を押したり爪を噛んだりするクセは、出っ歯になる原因になります。
大人は子どもと異なり、顎の骨や歯根がある程度固まっているため、これらのクセが原因で出っ歯になる可能性は少ないといえます。
しかし、あまりにも強い力で行ったり、これらのクセを長期間続けたりすると、再び出っ歯になる恐れもあります。
そのため、これらのクセがある場合は、意識してやめるようにしましょう。
hanaravi(ハナラビ)では、舌で前歯を押す、爪を噛むといったクセを改善するMFT(口腔筋機能療法)の治療に詳しく、信頼できるクリニックの紹介も可能です。
(3)定期的にメンテナンス(歯科検診)を受ける
前歯がきれいに整ったあとは、定期的にメンテナンスを受けましょう。
治療後の歯の健康状態をチェックし、再度出っ歯や歯並びの悪化を防ぐためです。
通院の手間がかかるのが気になる…という人は、hanaraviなどの通院不要なシステムを導入している矯正ブランドを検討すると良いでしょう。
初診による対面診断のあとは、最低限の通院で矯正を行っていただけます。
7.出っ歯を矯正するならhanaravi(ハナラビ)へご相談ください
出っ歯を自力で押して治すのはやめましょう。
無理やり力を加えて動かそうとすると、歯の神経が死んだり、歯が折れたりする恐れがあります。
出っ歯に関する悩みや不安をお持ちの場合は、専門の矯正歯科に相談するのがおすすめです。
hanaraviでは、専門知識・経験が豊かな歯科医師のみを厳選して治療を行っています。
無料相談も行っているので、ご質問や不安な点をお持ちの人は、まずお問い合わせください。
hanaraviの特徴
- 「定額制」で余計な費用負担ナシ
- 「経験豊富な歯科医師」が担当するため、失敗も少ない
- 「矯正後のイメージを見て契約」で、予定通りの矯正を実現
- 「マウスピース矯正」で痛みも少なく、見た目も気にならない
- 「リテーナー1回無料」でアフターケアも万全
- 「LINEサポート」で通院不要