後戻りとは、歯列矯正をした後に歯並びが治療前の状態に戻ってしまったり、歯並びが乱れたりしてしまうことを指します。
歯列矯正の体験談には、こうしたコメントをよく目にします。
「歯列矯正をしたのだけれど、後戻りしてしまった…」
「再矯正にものすごく費用がかかってしまった…」
また、矯正して5年、10年といった長い期間が経った後でも、後戻りするのだろうかと不安に感じる人も多いようです。
なぜ、歯列矯正をしても後戻りしてしまうのでしょうか?
この記事では、歯列矯正後の後戻りの原因や予防方法、再矯正について解説します。
目次
1.歯並びが後戻りしてしまう4つの原因
歯列矯正を完了して、キレイになった歯並びはずっと維持していたいものです。
しかし、残念ながら矯正後に後戻りが起こってしまう人は少なくありません。
歯列矯正の後戻りには、大きく分けて以下の4つの原因があります。
(1)保定期間が不十分
矯正後の後戻りが起こる原因として、もっとも多くの人に当てはまるのが「保定期間が不十分」というものです。
通常、歯列矯正後は保定器(リテーナー) という器具を用います。
歯列矯正直後の歯は、まだ完全には固定されていません。その状態で生活していると、歯は元の位置に戻ってしまいます。
そのため、歯列矯正後は歯並びが安定するまでの間、リテーナーを装着して歯並びを固定させるのです。この期間を「保定期間」と呼びます。
リテーナーには、着脱可能な「マウスピース型」「プレート型」と、着脱ができない「金属ワイヤー型」の3種類があります。
着脱可能なリテーナーを使う場合、医師の指示に従って適切に着用しないと、歯並びが後戻りする可能性が高くなってしまいます。
(2)生活習慣
日常生活の行動も、歯並びが悪化に大きく影響しています。
例えば、歯ぎしりや歯を強く噛みしめることが多いと、噛む圧力によって歯は移動しやすくなります。同じ理由で、爪を噛むクセがある人も注意が必要です。
他にも、硬い食べ物は顎の筋肉を鍛えられるなどのメリットはありますが、歯へのダメージが心配されます。
(3)歯周病
歯周病など、歯の健康が悪化すると歯並びも悪くなりやすいとされています。
歯周病になると、歯を支える骨が弱くなったり歯肉に炎症が起きたりします。その結果、歯並びに悪影響を及ぼしてしまうのです。
(4)成長による変化
子供時代に歯列矯正をした場合、成長に伴い歯並びの後戻りが起きることがあります。
顎の成長のタイミングは個人差が大きく、中学生頃まで続く場合もあれば、高校生頃に終了する子もいます。
歯列矯正後に顎の骨の形状が変化すると、それだけ歯並びも変化しやすいです。
矯正後の後戻りについて不安な人は、hanaraviの無料相談をご活用ください。無料相談の場で契約を促すことはないので、安心して相談していただけます。
2.後戻りのリスクを軽減させる方法
歯列矯正後の後戻りのリスクを軽減させるためには、以下の3点が重要です。
それぞれのポイントについて解説します。
(1)リテーナーの適切な使用
歯列矯正後の歯並びをしっかり固定させるには、リテーナーを適切に使用することがもっとも大切です。
リテーナーの使用した保定期間は、年齢や歯の状態などによって個人差がありますが、最低でも1年は着用し続ける必要があります。
2年かけて着用すれば、後戻りの可能性はかなり低くなるでしょう。
ちなみに、着脱可能なマウスピース型やプレート型のリテーナーの場合、保定期間の時期に応じて何時間着用すべきかがある程度決まっています。
例えば、矯正終了後から約3カ月間は、約20時間の着用が必要です。食事と歯磨き以外の間は、ずっとリテーナーを着することになるでしょう。
その後、矯正終了3カ月〜半年後までは1日の約半分、約半年〜2年後までは夜間と徐々に着用時間を減らしていきます。
ただし、これはあくまで一例です。実際には医師の指示する保定期間・着用時間に従って、正しくリテーナーを活用しましょう。
保定期間の進捗 | 1日の使用時間 |
---|---|
矯正終了後〜約3ヶ月 | 20時間ほど |
約3ヶ月〜半年 | 1日の約半分 |
約半年〜2年 | 夜間のみ装着 |
〜約2年 | 保定終了 |
【参考記事】
矯正治療後に使う「リテーナー」とは?目的や注意点などについて解説
(2)生活習慣の見直し
歯並びをキレイに保つには、生活習慣の見直しも必要です。
例えば、歯ぎしり、噛みしめ、爪噛みといった、歯に直接ダメージを及ぼすクセを改善していきましょう。
歯ぎしりや噛みしめは、眠りが浅いときの咬筋(食べ物を噛むときに用いる頬の筋肉)に力が入ることで発生するとされています。
眠りが浅くなる要因として挙げられるのが、飲酒や喫煙、カフェインの摂取、ストレスなどです。
お酒の量を減らしたり飲む時間を変える、禁煙する、遅い時間にコーヒーを飲まないようにするなど、できることから改善していきましょう。
ストレスが原因として疑われる場合は、ストレス発散できる趣味を見つけたり、ストレスの原因(職場環境など)の改善を図りましょう。
他にも、歯科医院ではマウスピースなどを用いた歯ぎしり治療を行っています。
歯ぎしりによる歯へのダメージが心配な人は、一度歯科医院での治療も検討してみてください。
(3)歯や歯周病ケア
歯並びが後戻りしないためには、歯や歯周病のケアが重要です。
歯肉炎や歯周病が進行すると、歯肉や歯を支える骨などの組織が破壊されて、歯がぐらつきやすくなります。
歯がぐらつくようになれば、当然歯並びも乱れて元の状態に戻ってしまうでしょう。
歯と口腔の健康を守ることが、歯並びの維持にもつながります。
毎日の歯磨きを徹底し、定期的に歯科検診を受けましょう。すでに歯周病が進行している場合は、歯科医院による治療を受けてください。
hanaraviは、専門の歯科医師が矯正治療についてサポートします。矯正後のサポートもしっかり受けたいという人におすすめです。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
3.矯正から10年で後戻りする要因はなに?
リテーナーを適切に使用すれば、歯並びの後戻りリスクはかなり軽減できます。
しかし、それでも矯正治療から10年20年と長い期間を重ねると、歯並びが後戻りしてしまう可能性はあります。
その大きな要因となるのが、「日常生活のちょっとした動き」です。
噛みしめや歯ぎしりなどに気をつけても、食事による咀嚼や頬杖、口呼吸、舌で歯を触るなどさまざまな力が歯に加えられます。
横向きで寝ることが多い人も、下にしている歯に圧力が加わっています。
後戻りまではいかずとも、こうした圧力によって歯は多少なりとも動いてしまうということを覚えておいてください。
4.再矯正のタイミングと費用
歯列矯正の後戻りが進行すると、見た目が悪くなるだけでなく、噛み合わせの悪化により歯や歯茎への負担が大きくなります。
そうなってしまった場合、歯の健康を保つために再矯正が必要です。ここでは、再矯正を検討すべきタイミングや費用について解説します。
(1)再矯正を検討すべきタイミング
歯並びが後戻りしてしまい、再矯正を検討すべきタイミングは、大きく2点挙げられます。
①見た目や噛み合わせに変化があった
歯列矯正をしたときと比べて、前歯に隙間が目立つようになったなど、見た目に変化が見られるようになったら再矯正を検討しましょう。
また、普段の食事などでなんとなく噛み合わせが不自然だと感じた場合も、再矯正が必要か歯科医院に相談してみましょう。
②リテーナーを着用できなくなった
保定期間で使用したマウスピース型やプレート型のリテーナーをはめられなかった場合、歯並びが大きく変化している可能性があります。
ちなみに、リテーナーはあくまで歯並びを「固定」するための器具であり、矯正に用いるマウスピースとは異なります。
そのため、リテーナーを着用しても歯並びを元に戻すことはできません。
リテーナーを着用できなくなるほど後戻りが進行している場合は、歯科医院に相談してみてください。hanaraviでは、歯科医師による最適な再矯正方法を無料でご提案いたします。
(2)再矯正にかかる費用
再矯正を行なう場合、通常の歯列矯正と同様に「ワイヤー矯正」「マウスピース矯正」の2種類の治療方法があります。それぞれの費用は以下の通りです。
①ワイヤー矯正:約25万円
ワイヤー矯正は、ワイヤーとブラケットを使って歯を動かす、もっとも一般的に用いられている治療方法です。
歯を大きく動かす矯正に向いていますが、見た目に目立ちやすい、食事や歯磨きがしづらいなどのデメリットがあります。
hanaraviにて調査したところ、ワイヤー矯正による再矯正の費用は平均約25万円でした。
- クリニックA:50万円
- クリニックB:11万円
- クリニックC:16.5万円
②マウスピース矯正:約25万円
マウスピース矯正は、薄型の透明なマウスピースを使って歯列を矯正する方法です。ワイヤー矯正に比べて目立ちにくく、簡単に着脱できるなどの特徴があります。
hanaraviにて調査したところ、ワイヤー矯正による再矯正の費用は平均約25万円でした。
- クリニックD:33万円
- クリニックE:23万円
- クリニックF:19万円
【参考記事】
再矯正の費用の目安は?後戻りの原因や治療法、別のクリニックを選ぶ必要性などを解説
5.信頼できる医師に歯列矯正・再矯正を相談したいならhanaravi(ハナラビ)へ
歯列矯正後の後戻りは、リテーナーを正しく使用したり、日ごろから歯のケアを怠らないことで防ぐことができます。
とはいえ、10年など年月の経過によって、歯並びが悪くなってしまう可能性はゼロではありません。
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