奥歯の生え方や歯並び、虫歯の進行状態などによって、抜歯が必要になるケースはさまざまです。費用もケースバイケースなので、不安に感じますよね。
この記事では、抜歯が必要になるケース、歯の種類や部位、保険適用の有無別に、費用相場をわかりやすく解説します。
歯科矯正にともなう抜歯などの費用が気になる方は、hanaravi(ハナラビ)の無料相談にお問い合わせください!
目次
1. 抜歯の費用はいくらかかる?
抜歯にかかる費用は、抜歯の種類や抜歯する歯の位置、抜歯の難易度によって大きく変わります。
おおまかな費用の目安を、下の表にまとめました。なお、表の料金には、初診料や再診料、検査料、麻酔代、投薬代なども含まれています。
抜歯する歯 |
保険適用or自由診療 |
料金の目安 |
---|---|---|
乳歯 |
保険適用 |
1,500〜1,500円 |
前歯、小臼歯(前から4〜5番目の歯) |
保険適用 |
1,500~3,000円 |
奥歯、親知らず |
保険適用 |
1,800~10,000円 |
歯科矯正の抜歯 |
自由診療 |
5,000~15,000円 |
(1)保険診療と自由診療
抜歯にかかる費用は、大きく「保険診療」と「自由診療」の2つに分けられます。虫歯や歯周病など、口の中の病気を治療する目的の抜歯は保険診療の対象です。
一方、見た目を美しくするための矯正治療や、インプラント治療のために健康な歯を抜歯する場合は、保険診療が適用されず自由診療となります。
そのため、他の治療と比べて費用は高額になる傾向があります。
(2)抜歯費用の主な内訳
抜歯の費用は、主に以下の3つの項目で構成されています。
項目 |
内容 |
---|---|
初診料・再診料 |
医療機関を受診した際にかかる費用 |
検査料 |
レントゲン撮影やCT撮影など、抜歯前に歯の状態を把握するための検査にかかる費用 |
処置料 |
実際に歯を抜くための処置や、抜歯後の投薬にかかる費用 |
(3)子どもの抜歯は自治体が医療費を支援している
乳歯が抜ける前に永久歯が生えてきた場合、重度の虫歯の場合、事故などで乳歯が欠損した場合は、抜歯が必要になることがあります。
乳歯の抜歯については、「乳幼児医療費助成制度」という制度を利用可能です。
乳幼児医療費助成制度では、地方公共団体が乳幼児の入・通院(外来)にかかる費用を補助してくれます。
助成金の範囲は一部補助から全額補助までで、所得制限がある自治体・ない自治体など細かな違いがあります(参照:医療費助成制度と手当制度|成長相談室)。
乳幼児の抜歯が必要な場合は、お住まいの地域の制度について調べてみましょう。
2.親知らずの抜歯費用はなぜ高い?生え方や治療内容で変わる費用相場
前歯や小臼歯と比べ、親知らずは抜歯の難易度が高いため、他の歯よりも費用が高くなりがちです。
それに加えて、親知らずは生え方も多種多様であり、状態によって抜歯の難易度や費用が大きく変動します。
(1)生え方による抜歯費用の変化
まっすぐ生えている親知らずの方が、横向きや斜めに生えている親知らずよりも抜歯の費用も安く済みます。
一方、親知らずが斜めや横向きに生えていると、切開や縫合などの複雑な処置が必要となり、費用が高くなりやすい傾向にあります。
以下に、それぞれの費用の目安をまとめました。
いずれも保険適用の場合で、初診料や再診料、検査料、麻酔代、投薬代などが含まれています。
親知らずの生え方 |
費用目安 |
まっすぐ生えている | 1,800~4,000円 |
あごの骨や歯茎に埋まっている | 4,000〜6,000円 |
あごの骨・歯茎に「完全に」埋まっている ななめや横向きに生えている |
4,500〜6,500円 |
(2)抜歯費用を決定するための「診療報酬点数」って何?
抜歯を含むさまざまな医療行為で支払われる費用は「診療報酬」といいます。
私たちが受けられる医療行為には「点数」が設けられていて、の医療行為の合計点が診療報酬=私たちが支払う料金になるわけです。
ちなみに、抜歯手術では次のように診療報酬の点数が付けられています。なお、診療報酬点数は1点=10円で加算されます。
- 乳歯…180点(195点)
- 前歯…160点(240点)
- 臼歯(奥歯全般)…270点(405点)
- 埋伏歯(まいふくし)…1,080点(1,620点)
ある時期を過ぎても、あごの骨の中や歯ぐきの下に埋まったままの歯。
前歯や臼歯では歯根が肥大してあごの骨と癒着しているなど、大がかりな手術が必要な場合に関しては、難抜歯加算として230点(345点)が加算されます。
さらに、埋伏歯のなかでも下あごの親知らずかつ「歯茎に埋まって全く見えない歯」「水平に生えて埋まっている歯」の場合、130点(195点)が加算されます。
※6歳未満の乳幼児あるいは歯科診療が非常に難しい患者様を診療した場合、()内の点数となります。
これらの点数に加え、麻酔などを使用した際に加算された点数の合計が、抜歯の総費用となるわけです。
親知らずに関する報酬点数は臼歯、埋伏歯など高く設定されているため、自然と治療費も高くなりやすい傾向にあります。
(3)親知らずの状態によっては追加費用がかかることも
親知らずのなかでも、あごの骨の奥深くにあったり、歯茎に埋まって隠れている状態は、抜歯の難易度が非常に高いとされています。
この場合、CT撮影などで歯の状態をチェックする必要があります。
歯科治療におけるCT検査にかかる費用は、3,500円ほどです(いずれも保険適用の場合)。
これらの費用が先程の表に上乗せされるため、親知らずの状態次第では抜歯費用が10,000円前後になることもあります。
矯正前から矯正後までの歯の動きを動画で確認することができ、具体的な仕上がりイメージを確認したうえで矯正を始められます。
3.歯科矯正で抜歯が必要になるケースの費用相場は?
矯正治療でおこなう抜歯を便宜抜歯(べんぎばっし)といいます。歯科矯正では、歯並びや噛み合わせを改善するために、抜歯が必要となる場合があります。
どのようなケースで抜歯が必要なのか、費用はどれくらいかかるのかをまとめました。
(1)なぜ歯科矯正で抜歯が必要になるのか?
歯科矯正では、歯並びをよくするために歯を移動させるスペースが必要になります。
しかし、顎の大きさが十分でない場合、歯をきれいに並べるためのスペースが足りず、抜歯が必要となるのです。
実際に、次のようなケースでは歯科矯正のために抜歯をする可能性があります。
理由 |
説明 |
---|---|
歯が大きい |
顎の大きさに比べて歯が大きすぎる、または歯の本数が多すぎるため、歯を並べるスペースが不足している状態。 |
顎の成長が不十分 |
顎の成長が不十分なために、歯を並べるのに十分なスペースがない状態。 |
噛み合わせの改善が必要 |
出っ歯や受け口など、噛み合わせの不調和を改善するために抜歯が必要な状態 |
なお、歯科矯正での抜歯は図でいうと「4番」と「8番」の抜歯をおこなうことが多いです。
(2)歯科矯正の抜歯にかかる費用
歯科矯正で抜歯を行なう場合、基本的には矯正治療でかかる費用とは別に料金が発生します。
保険適用での抜歯は1本あたり5,000円以内で収まる場合が大半ですが、便宜抜歯では1本あたり5,000〜15,000円程度の費用がかかります。
(3)保険適用されるケースもある
歯科矯正は抜歯も含めて保険適用外ですが、次のケースに限り、保険診療の対象となります。
- 「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
- 前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
- 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
ご自身の歯科矯正(それにともなう抜歯)がこのケースに当てはまるのか、歯科医院などに相談してみましょう。
4.大学病院での抜歯、入院での抜歯でかかる費用は?
多くの人々は、歯科医院で抜歯を受けると思いますが、それ以外の状況で抜歯を行なう場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
(1) 大学病院での抜歯費用
大学病院で抜歯をする場合、保険が適用される治療での費用は歯科医院とほぼ変わりません。
大学病院は歯科医院での治療が難しい症例に対して、歯科医院から紹介状をもらって受診するという流れになります。
紹介状がない場合、診察料以外にも料金が加算されて費用が高くなる傾向にあります。
(2)入院するときの費用
抜歯は基本的に日帰りで行いますが、症状が重篤な場合や全身疾患がある場合など、入院が必要になる場合があります。
入院のケース |
説明 |
---|---|
症状が重い場合 |
細菌感染が顎の骨や、場合によっては全身にまで広がっている場合などは、入院して全身管理を行いながら治療を進める必要があります。 |
複数本の親知らずを同時に抜く場合 |
全身麻酔が必要となる場合があり、その場合は、大学病院などの大きな医療施設への入院が適しています。 |
全身の病気を持っている場合 |
血管や血液の病気、呼吸器の異常がある場合、全身麻酔下での手術が選択されることがあり、適切な期間、入院が必要になります。 |
精神的な問題を抱えている場合 |
極度の歯科治療恐怖症の方や、知的障害や精神疾患を抱えている方は、通常の抜歯治療に耐えられない、治療中に予期せぬトラブルを起こす可能性があります。そのため、安全のために全身麻酔下での手術が必要となり、入院する場合があります。 |
入院期間は1泊2日ほどですが、手術の内容や患者様の状態に合わせて、さらに数日入院することもあります。
トータルの費用は2〜3万円ほどが多く、入院期間が延びたり必要な処置が多かったりすると10万円を超える場合もあります。
患者さんひとりひとりにあった、最適な歯の治療プラン・歯科矯正計画を提案します。
5. 【保険適用外でも安心】抜歯費用を抑える2つの方法
保険適用以外で抜歯費用を抑えたい場合、大きく2つの方法が考えられます。
(1)医療費控除
医療費控除とは、1年間にかかった医療費が規定の金額を超えた際、支払った医療費をもとに計算した金額分の所得控除を受けられる制度です。
年間の総所得が200万円以上の場合、1年間に10万円以上の医療費がかかった場合(会社から医療補助などが支払われていない場合)、支払った医療費の総額から10万円を差し引いた金額が医療費控除の対象となります。
年間の総所得が200万円未満の場合の計算方法は、所得の5%以上支払った金額になります。例えば、年間所得が150万円であれば150×0.05=7.5なので、支払った医療費の総額から7万5千円を差し引いた金額が医療費控除の対象になります。
参考:https://www.hanaravi.jp/blog/archives/2167
(2)高額療養費制度
医療費の自己負担には「限度額」があり、それを超えた場合に高額療養費として支給される制度があります。
高額療養費は、ひと月(1日~末日)にかかった医療費を基準に算出されます。
自己負担限度額は年齢や所得によって異なり、70歳以上の方や低所得者の方には、負担を軽減する制度もあります。
標準報酬月額(月給) |
自己負担限度額 |
---|---|
83万円以上 |
252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
53万~79万円 |
167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
28万~50万円 |
80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
26万円以下 |
57,600円 |
上の表は、東京都歯科健康保険組合が定めている標準報酬月額ごとの事故普段限度額です。
詳しくは、加入している健康保険組合や全国健康保険協会のホームページなどで確認してみてください。
6. 抜歯や歯科矯正の費用相談はhanaravi(ハナラビ)へ
抜歯の費用は、抜歯する歯の種類や抜歯の難易度、保険適用の有無によって大きく異なります。
抜歯が必要かどうかは、自己判断せず必ず歯科医師に相談しましょう。
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