マウスピース矯正の治療費用などを見ると、従来のワイヤー矯正よりも非常に安い場合があります。
この記事では、マウスピース矯正が安い理由や治療を受ける場合の注意点を解説します。
マウスピース矯正に向いている人・向いていない人についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. マウスピース矯正の費用が安い理由とは?
マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正と比べて費用が安い傾向にあります。その理由としては、主に以下の点が挙げられます。
(1)従来のワイヤー矯正よりコストがかからない
マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正と比較して材料費や人件費などのコストを削減でき、費用が安く抑えられる傾向にあります。
従来のワイヤー矯正では、金属製のブラケットやワイヤーなどの矯正装置を使用するため、材料費が高額になりがちでした。
また、複雑な調整が必要となるため、技術を持った歯科医師の高度な技術と時間が必要となり、人件費もかさんでしまいます。
一方、マウスピース矯正は透明なプラスチック素材の矯正装置を使用するため、材料費が比較的安価です。
さらに、コンピュータを用いたシミュレーション技術によって、歯の動きを事前に予測することができます。
素材・技術の進歩により、従来のワイヤー矯正よりも調整の手間が少なく、人件費も抑えられるのです。
(2)全体矯正ではなく部分矯正が中心
マウスピース矯正の中には、全体矯正ではなく部分矯正をメインに行っているブランドがあります。
全体矯正とは、上の歯と下の歯のすべての歯並びを対象とした矯正治療のこと。
部分矯正とは、上の歯だけ・下の歯だけ・前歯だけなど、一部の歯並びのみを対象にした矯正治療のことです。
全体矯正と部分矯正では、治療期間や費用が大きく異なってきます。
一般的に、部分矯正の方が全体矯正よりも、治療費用が安く、治療期間も短いです。
(3)自社でマウスピースを製造・配送
従来のワイヤー矯正では、歯型を取ってから矯正装置を製作する際に、外部の歯科技工所に依頼するのが一般的でした。
しかし、マウスピース矯正の中には、自社でマウスピースの製造・配送までを一貫して行うブランドがあります。
これにより、従来までの矯正装置の製造〜販売ルートでかかる中間コストを大幅に削減しています。
結果、矯正治療の費用を大幅に短縮できるのです。
(4)デジタル化で矯正装置の製作コストを削減
マウスピース矯正は従来のワイヤー矯正と比較して、装置の素材や製作工程が簡略化されています。
特に、3Dプリンターの導入によるマウスピースの自動製作は、人件費や製作時間を大幅に削減できます。
また従来のワイヤー矯正では、歯型採取後、熟練した歯科技工士が手作業でワイヤーやブラケットを調整する必要がありました。
一方、マウスピース矯正では、3Dプリンターを用いることで、より正確かつ効率的にマウスピースを製作することが可能です。
このように、マウスピース矯正は製作工程のデジタル化を進めることで、製作コストを効果的に削減しています。
項目 |
従来のワイヤー矯正 |
マウスピース矯正 |
---|---|---|
装置の素材 |
金属(ブラケット) |
プラスチック(マウスピース) |
製作工程 |
歯型採取 → 技工士による手作業 |
歯型データ → 3Dプリンターによる製作 |
調整 |
ワイヤーの交換・調整が必要 |
新しいマウスピースに交換 |
(5)オンラインサポートで来院の負担を軽減
従来のワイヤー矯正では、月に一度など定期的な通院が必須でした。
しかし、マウスピース矯正の中には、オンラインサポートを取り入れることで、来院の負担を軽減しているブランドもあります。
いくつかのブランドでは、提携クリニックでの初回診察を除き、基本的に通院不要で治療を進めることができます。
オンラインサポートが充実しているマウスピース矯正ブランドを選ぶことで、時間や費用を抑えながら自分のペースで治療を進められます。
初診による対面診断のあとは、最低限の通院で矯正を行っていただけます。
2. 安いマウスピース矯正ブランドの料金比較
実際に、マウスピース矯正ブランドではどのような料金設定になっているのでしょうか?
ここでは安価なプランを用意しているブランドの矯正範囲、対応症例、料金を一覧にまとめました。
マウスピース矯正のブランドを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ブランド名 |
矯正範囲 |
対応症例 |
料金 |
---|---|---|---|
hanaravi |
部分矯正 |
軽度〜重度 |
30万円、45万円、60万円 |
Oh my teeth |
部分矯正 全体矯正 |
軽度〜中度 |
33万円、66万円 |
キレイライン矯正 |
部分矯正 |
軽度〜中度 |
198,000~462,000円 |
DPEARL |
部分矯正 全体矯正 |
軽度〜重度 |
30.8万〜69.3万円 |
Zenyum |
部分矯正 全体矯正 |
軽度〜重度 |
324,500〜660,000円 |
マウスピース矯正ローコスト |
部分矯正 全体矯正 |
軽度〜重度 |
30万〜115万円 |
エミニナル |
部分矯正 |
軽度〜中度 |
24.8万円 |
hanalove |
部分矯正 全体矯正 |
軽度〜重度 |
19.8万円、34.8万円、70万円 |
ウィ・スマイル |
部分矯正 全体矯正 |
軽度〜重度 |
23.1万〜88万円 |
3. 安いマウスピース矯正の注意点
マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正と比べて費用が安いというメリットがありますが、注意すべき点もいくつかあります。
(1)複雑な症例に対応できない可能性がある
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比較して、歯を動かす力が弱いという特徴があります。
そのため、複雑な症例には対応できない可能性があります。
例えば、以下のような症例は、安いマウスピース矯正では対応が難しい場合が多いです。
症例 |
説明 |
---|---|
抜歯を伴う矯正治療 |
歯を抜いてスペースを作り、歯並びを整える治療法 |
重度の出っ歯・受け口・開咬 |
歯の傾きや位置が大きくずれているため、マウスピース矯正だけでは改善が難しい場合がある |
顎の骨格に問題がある場合 |
顎の骨格に問題がある場合は、外科手術を併用する必要があるため、マウスピース矯正だけでは対応できない場合がある |
このような症例の場合には、ワイヤー矯正を選択するか、マウスピース矯正とワイヤー矯正を組み合わせた治療法を選択する必要があります。
安いマウスピース矯正を検討する際には、事前に自分の歯並びがマウスピース矯正に適しているかどうか、矯正歯科医に相談することをおすすめします。
(2)歯並びがよくならない・悪化するリスクがある
安いマウスピース矯正では、歯科医師による診断や治療計画の作成、治療中の経過観察などが簡略化されている場合があります。
すると、患者様一人ひとりの歯の状態や治療の進捗に合わせた適切な対応ができず、期待していた治療結果を得られない可能性があるのです。
安いマウスピース矯正を選択する際には、治療費だけでなく歯科医師の実力や治療内容、アフターフォロー体制なども考慮する必要があります。
(3)アフターケアが不十分な可能性がある
従来の歯科矯正では以下のケアを提供しています。
項目 |
内容 |
---|---|
定期的な検診 |
歯の動きや噛み合わせの状態をチェックする |
歯のクリーニング |
矯正装置による歯垢や歯石の付着を防ぐ |
マウスピースの調整 |
歯の動きに合わせてマウスピースを調整する |
安いマウスピース矯正の中には、治療費を抑えるためにアフターケアが不十分な場合があります。
アフターケアが不十分だと、以下のようなリスクがあります。
-
虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性がある
-
歯並びが後戻りする可能性がある
-
矯正治療が長引く可能性がある
安いマウスピース矯正を検討する際は、アフターケアの内容や費用について事前にしっかりと確認することが重要です。
特に、初めてマウスピース矯正を行う方は、歯科医師としっかりとコミュニケーションを取り、納得した上で治療を進めるようにしましょう。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
4. 安いマウスピース矯正が向いている人・向いていない人
ここでは、安いマウスピース矯正がどんな人に向いていて、逆にどんな人には向いていないのかをまとめて解説します。
(1)向いている人:軽度の症例で費用を抑えたい人
軽度の症例で費用を抑えたいと考えている方は、安いマウスピース矯正が向いていると言えます。
マウスピース矯正はワイヤー矯正と比較して、軽度〜中度の症例に適しています。
※一部のブランドでは、重度の症例にも対応しています。
加えて、安いマウスピース矯正ブランドの場合、通院回数が少なくトータルの費用も抑えられます。
また、マウスピース矯正は矯正装置を付け外しできるため、食事や歯磨きのストレスが少ないという特徴もあります。
一方、マウスピースは1日20時間以上装着していないと、矯正効果を発揮できません。
矯正治療中も日々を快適に過ごしたい、マウスピースの装着時間をしっかり守れる。
そんな方々も、マウスピース矯正はおすめだといえるでしょう。
マウスピース矯正の値段・料金の平均金額・相場は?ブランド別の比較や選ぶポイントも
(2)向いていない人:重度の症例でしっかり噛み合わせを改善したい人
マウスピース矯正は、軽度の歯列不正を対象とした治療法であるため、重度の症例には対応できない場合があります。
マウスピース矯正が適応できない症例には、以下のようなものがあります。
症例 |
詳細 |
---|---|
顎に問題がある場合 |
上顎と下顎の大きさが極端に異なるなど、顎の位置に問題がある場合は、マウスピース矯正だけでは改善が難しい場合がある |
歯の傾斜や回転が大きい場合 |
歯が大きく傾斜していたり、回転していたりする場合は、マウスピースによる矯正力が十分に伝わらず、歯の移動が難しい場合がある |
重度の叢生がある場合 |
重度の叢生(歯が重なり合っている状態)などの症例では、マウスピース矯正ではなくワイヤー矯正などの治療法が適している |
これらの症例に当てはまる場合は、マウスピース矯正ではなく、ワイヤー矯正などの他の矯正治療法を検討する必要があります。
重度の症例でしっかり噛み合わせを改善したい場合は、歯列矯正専門医に相談し、自分の歯の状態に合った治療法を選択することが大切です。
また、マウスピース矯正は1日20時間以上の装着が必要であり、ある程度自己管理能力が求められます。
矯正装置を付け外しすることに手間を感じてしまう場合や、自己管理に不安がある場合は、こうした心配の少ないワイヤー矯正を選択すると良いでしょう。
5. 安いマウスピース矯正でも成果を出したい!矯正歯科を選ぶときのポイント
マウスピース矯正ブランドの選び方次第で、歯科矯正の費用を大幅に削減できます。
ですが、同時に検討したいのは「どの矯正歯科に治療をお願いするか」です。
歯科医院や歯科医師の技術は、治療の成功・失敗を大きく左右します。
次のポイントを参考に、信頼できる矯正歯科を探してみてください。
(1)日本矯正歯科学会の認定医が在籍している
日本矯正歯科学会とは、全国各地の7,000人程度の会員で構成される、日本を代表する歯科矯正学の学術団体のことです。
日本矯正歯科学会では、歯科矯正において適切な知識と経験を持つ医師を「認定医」「指導医」「臨床指導医」として認定しています。
矯正歯科の経験やスキルを確かめるためにも、担当する医師が「認定医」なのか確認するといいでしょう。
(2)コミュニケーションをしっかりとれる
歯科矯正はどれだけ短くても数ヵ月の治療期間が必要です。
円滑な治療を進めるにあたり、矯正歯科とのコミュニケーションの取りやすさは非常に重要なポイントとなります。
以下を参考にしつつ、その歯科医院がコミュニケーションの取りやすいのかをチェックしてみてください。
-
休診日が少ない:矯正治療で不具合が生じても対応してもらいやすい
-
待ち時間が長くない:常に忙しい状態で30分〜1時間以上待たされてしまうクリニックだと、いざというとき相談しにくい
-
治療計画を丁寧に説明してくれる:初回の無料相談時、患者様の歯並びの状態をもとにどのような治療が適切かをしっかり教えてくれる
-
常勤の歯科医師がいる:担当医が常勤の場合、治療の相談をしやすい
実際に初回相談などでこれらのポイントをチェックするほか、口コミなどものぞいてみてください。
口コミで医師とのコミュニケーションに関する投稿がある場合、それらも貴重な情報源となります。
(3)予算・歯並びの状態に合った矯正治療を選べる
今回紹介したマウスピース矯正に加えて、歯科矯正にはさまざまな方法があり、特徴・金額は大きく異なります。
また、矯正歯科によって使用できる矯正治療にも違いがあります。
ワイヤー矯正もマウスピース矯正も受け付けている、あるいはワイヤー矯正(マウスピース矯正)しか選べないクリニックもあります。
自分の歯並びの状態に合わせて、最適な治療方法を提案してくれるかは、矯正歯科を選ぶ大切な基準となるのです。
(4)トラブルが生じた際のフォロー体制が整っている
矯正治療中、歯の痛みや矯正装置の破損など、何らかのトラブルが生じることも珍しくありません。
こうしたトラブルに対して、丁寧に対応してくれるフォロー体制が整っているかも、矯正歯科を選ぶポイントとなります。
オンラインでの相談体制が充実している、常勤の医師がいる、問い合わせにすぐ返信してくれる。
こうした対応を取ってくれるのか、初回相談時や口コミをチェックする時に確認しておきましょう。
矯正歯科の選び方を医師が解説!6つのポイントとよくある疑問も紹介
6. マウスピース矯正について詳しく知りたい方はhanaravi(ハナラビ)へ
マウスピース矯正ブランドの多くは、矯正装置の製作や配送、お客様サポートなどさまざまな観点でコスト削減を図っています。
結果、従来よりも低コストで患者様に矯正治療を提供できるのです。
マウスピース矯正についてもっと知りたい!という方は、ぜひhanaravi(ハナラビ)へご相談ください。
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