マウスピース矯正で出っ歯は治る?市販のマウスピースの効果も解説!

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。 https://www.med.oita-u.ac.jp/ https://www.oita-u.ac.jp/
 

出っ歯は厚生労働省の歯科疾患実態調査(平成28年)において12~20歳の不正咬合の約40%を占めており、日本人では一番多い不正咬合です。

出っ歯の場合、見た目を気にして矯正治療を受ける方が多いですが、上の歯をぶつけやすい(外傷)、口が閉じにくい(口臭)、前歯が使えない(顎関節症)などの機能面においても治療の重要性があります。また、最近では口元を横顔で評価するEラインの認識が浸透し、口を閉じた状態での口元の突出を治療するために出っ歯を矯正治療する方も増えてきました。

出っ歯を治すにあたって矯正装置が目立ちにくいマウスピース矯正をお考えの方に、マウスピース矯正で出っ歯が治るのか、また薬局やインターネットで購入できる市販のマウスピースの効果についても解説いたします。

マウスピース矯正で出っ歯は治るのか?

マウスピース矯正にはシステムの異なるメーカーがいくつかあり、各歯科医院で採用しているマウスピースメーカーの矯正システムを利用して歯科医師が適応を見極め、計画の立案と治療を行います。

歯を動かす原理はワイヤー矯正もマウスピース矯正も同じなので、原理としてはマウスピース矯正は出っ歯にも対応できることになります。

出っ歯はマウスピース矯正で治せる

マウスピース矯正の適応範囲は前歯の移動だけで完了する症例のみを扱うものから、奥歯の歯並びや噛み合わせまで改善できるものなどメーカーにより大きく異なりますが、
出っ歯の状態が各マウスピースメーカーの適応範囲内であれば治療可能です。

各マウスピース矯正のメーカーには、製品開発に携わるデモンストレーターと呼ばれる矯正歯科医がいます。そのデモンストレーターが自社マウスピースで症例検討を行い適応症例を見極め、実際に使用する歯科医師に指導します。自社のマウスピース矯正の評判が悪くなるのを防ぐため、無理な適応症例の設定を行うことは無く、安全性は信頼できます。

出っ歯の原因や程度には大きく個人差があり自己判断は難しいため、症例の難易度やマウスピース矯正の適応は歯科医師に判断してもらうのが良いでしょう。

hanaraviで検査された方には、実際にこのようなシミュレーション画像が送られます!

マウスピース矯正で出っ歯を治すならメーカーの適応範囲に注意

マウスピース矯正にはワイヤー矯正のように奥歯まで歯を動かす全体矯正に対応しているものと、審美的に重要な前歯を12〜14本を中心に動かす部分矯正に対応しているものに分けられます。

歯科医師の診断によって部分矯正のマウスピース矯正メーカーで適応外だと判断されても、全体矯正が可能なマウスピース矯正なら治療可能な場合があります。

また、骨格的に上下顎の大きさのズレが大きい、著しく前歯が出ていて抜歯が必要などの重度な出っ歯の症例は、すべての治療をマウスピース矯正で行うのが難しくても一時的なワイヤー矯正の併用などで改善できることもあります。

すべての工程をワイヤー矯正で行うよりも、歯に金属やプラスチックなどの矯正装置を着ける期間が短縮されるため、虫歯のリスクや食べにくさを軽減することができます。

矯正医セレスタ麻里子

ワイヤー矯正とマウスピース矯正の併用は人気が出るかもしれないですね!

マウスピース矯正で出っ歯を治す期間と費用

出っ歯の程度により期間は個人差があり、矯正は自費診療のため歯科医院やメーカーによって費用も異なります。

期間

前歯だけの部分矯正なら3カ月~、全体矯正なら1〜3年掛かります。

費用

前歯だけの部分矯正なら2〜30万円程かかります。
全体矯正なら50〜100万円程度掛かります。

費用の支払い方法は月々の分割払いや矯正に関する費用がすべて含まれるトータルフィー制、矯正費用のほかに通院の度に調整料を支払う調整料制などがあり、歯科医院やメーカーにより異なります。

また、別途矯正後の保定装置代、検査費用、手術費用などが掛かることがあるため、矯正前にトータル費用の見通しが立っているか、追加費用の負担が無いかどうかを確認しておくと良いでしょう。

市販のマウスピースは出っ歯に効果があるの?

歯科医院で矯正治療を受けると、出っ歯の度合いによりますが1〜3カ月に1回の通院とトータル100万円程度の高額な費用が掛かります。

薬局やインターネットショップなどで数千円ほどで入手できる市販のマウスピースで出っ歯を改善できれば、面倒な通院も高額な費用も掛からないため非常に魅力的ですが、残念ながら市販のマウスピースで出っ歯は改善できません。

市販のマウスピースに矯正の効果は期待できない

市販のマウスピースには歯ぎしりや食いしばりなどの噛み合わせに関する癖の改善と、舌や下顎の位置を正しい位置に誘導することで口呼吸を防ぎ、いびきを緩和する目的で販売されているものがあります。

口呼吸は出っ歯などの不正咬合の原因のひとつで、市販のマウスピースを使用して成長期に出っ歯を予防することができます。しかし、出っ歯になってしまった歯並びの原因は骨格的なものや歯の生える方向、歯が並ぶスペースの不足などさまざまあり、歯列ケアなどと表記されていても市販のマウスピースだけではこれらを改善できないため矯正の効果は期待できません。

矯正医セレスタ麻里子

お口の中の大きさや歯の大きさは個人差があるので、
市販のマウスピースがご自身のお口の中にはいるとは限りません!!

市販のマウスピースの使用は自己責任

歯科医院のマウスピース矯正は顎や歯のレントゲン撮影や口の型取り、虫歯や歯周病の検査などを行い、人によって異なる出っ歯の原因を精密な情報に基づいて見極め、あらゆるリスクを考慮した上で治療計画を立てます。

市販のマウスピースは術前に歯科医師の診断や検査を行わないため、自身の出っ歯の原因を適切に改善できるか分からないばかりか、市販のマウスピースを使用した結果、自分の歯並びや噛み合わせがどう変化するのか予測できず、将来的に顎の関節に支障をきたして噛み合わせがおかしくなるなどのリスクが高いです。

もし痛みが出たり、噛み合わせや歯並び、顎の関節などがおかしくなったりしてもすべて自己責任となるため注意が必要です。

出っ歯を治すなら歯科医院のマウスピース矯正

出っ歯をマウスピースで治すなら、歯科医院のマウスピース矯正が安全で効果的です。

適応かどうかの見極め、経過の観察、治療後のケア、どれを取っても歯科医院のマウスピース矯正が安心です。費用は症例の難易度や、医院が取り扱っているマウスピースのシステムによって変動するため、出っ歯の治療でもワイヤー矯正より安く治療を受けられる場合もあります。まずは矯正相談に行ってみるのがお勧めです。

歯科医院でマウスピース矯正を希望する場合、矯正装置を着けたくないからマウスピース矯正を選択するのか、矯正装置の装着期間を短くしたいからマウスピース矯正を選択するのかは重要なポイントになります。よく考えて、しっかりと歯科医師に伝えましょう。

歯科医院のマウスピース矯正はオーダーメイド

歯科医院で作成する矯正用のマウスピースは歯型を基に、歯列に密着する形になるようオーダーメイドで作られます。

マウスピースで歯を動かすには綺麗な歯並びになるように計算して作られた形の違うマウスピースに定期的に交換して、歯牙に適切な矯正力を掛けながら歯を動かす必要があります。

また、歯にアタッチメントと呼ばれる歯と同じ色の歯科用樹脂でできた突起を着けて歯の移動を適切にコントロールしたり、歯を並べるスペースを作るための処置をすることで、歯科医師の監督の下、安全で効率的に出っ歯を改善できます。

市販のマウスピースには自分の歯列に合わせて形が変えられないものと、お湯で柔らかくしたマウスピースを歯に押し当ててある程度自分の歯列の形に合わせられるものがありますが、歯を動かせるほど歯列に密着した精密なマウスピースは作れません。

矯正医セレスタ麻里子

大切なご自身の歯を、安易に市販のマウスピースでなおそうとするのは危険すぎる!!

歯科医院のマウスピース矯正ならトラブルにも適切に対応してもらえる

矯正中は歯が動く際に痛みが生じますが、歯科医院のマウスピース矯正なら痛みが出たときやマウスピースの破損、矯正中の虫歯や歯周病などのトラブルにも適切に対応してもらえます。

さらに虫歯や歯周病に関して、歯磨きの方法やマウスピースのお手入れなどの適切なケアの指導が受けられるので安心です。

矯正医セレスタ麻里子

マウスピース矯正については、やっぱり矯正医院で見てもらう一択です!!

治療後の歯並びを術前に確認できる

矯正を始める前に各マウスピースメーカー独自のソフトウェアを用いて治療後の歯並びをシミュレーションできるため、治療目標が明確です。

治療途中には歯並びがどのように変化したかをコンピューターで確認できるため、市販のマウスピースを使用して仕上がりや顎、噛み合わせへの影響が分からないままに闇雲に出っ歯の改善を願うよりも確実に効果が得られます。

シュミレーションによって仕上がりを把握しておくことは、モチベーションにも繋がります。マウスピース矯正はマウスピースの装着時間が治療のスピードを左右します。

通信販売型マウスピース矯正に注意

マウスピース矯正のメーカーによっては、自宅に歯型をとるキットを取り寄せて自分で歯型をとり送り返すとマウスピースが届くもの、口腔内スキャンスタジオに一度行って口腔内スキャンを行うと後日自宅にマウスピースが届くものがあります。

どちらもオンラインによるドクターの診察が可能だったり、スタッフによる相談を受けることができます。しかし、治療計画、診断を矯正専門の歯科医師が行っている可能性が低く、仕上がりが保証されていません。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、自宅で矯正治療が始められるならやってみたいと思ってしまうかもしれませんが、治療の始めには必ず歯科医院を受診して矯正治療を始めましょう。ワイヤー矯正は毎月1回の通院が必須ですが、マウスピース矯正は始まってしまえば間隔をあけて通院することも可能で、オンライン診療を用意している医院も増えてきています。矯正プランの説明を受ける際に通院プランの説明を受けることで、通院の不安を解消できます。

月々3,600円から始められるマウスピース矯正「hanaravi(ハナラビ)

hanaravi(ハナラビ)の特徴

  • 月額3,600円(税別)※1、総額30万円(税別)の低コスト
    ※1年利2.5%で91回払いの場合
  • 最短3カ月で完了
  • マウスピースが自宅に届くので通院不要
  • 矯正中の悩みや疑問をいつでもLINEで相談できるオンラインサポートが充実
  • 矯正しながらホワイトニングできる