矯正治療が終わったあと、患者さんは「リテーナー(保定装置)」を着用します。
リテーナー は、キレイに整った歯並びを定着させるためにとても大切な装置です。
リテーナーにはいくつか種類があり、噛み合わせの状態や患者さんの希望などをもとに、歯科医師が最適なものを選びます。
この記事では、リテーナーの種類や着用の方法、リテーナーを使ううえでしておきたいポイントなどを解説します。
1.リテーナーを着用する大切な理由
リテーナー(保定装置)は、歯科矯正の治療が終わり、矯正装置(ワイヤーやマウスピースなど)を外した後に用いる器具です。
歯科矯正によって移動させた歯の周囲の組織は、実はまだ安定していません。
周辺の組織が矯正治療後の歯並びの状態で安定化するまでの間、歯は治療前の位置に戻ってしまうリスクがあります。
実際に、歯が歯科矯正以前の位置に戻ってしまうことを「後戻り」といいます。
後戻りした歯を、自力で治すのは困難であり、「再矯正」ということで再び矯正治療を受けることとなってしまいます。
そこで、キレイな歯並びの状態が固定されるまでの間、リテーナーを着用することで後戻りを防ぐのです。
リテーナーを着用している期間を「保定期間」といいます。
歯の位置を移動させる矯正期間と、歯列を固定させる保定期間の両方を経て、はじめて矯正治療は完了となります。
患者さん一人ひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
2.7種類のリテーナーを紹介
リテーナーにはその形状や特徴から、大きく8種類に分けられます。
それぞれのリテーナーの特徴や、どのような治療で使用されるのかを解説します。
(1)ベッグタイプリテーナー(着脱可能)
歯全体をワイヤーで囲み着脱が可能なリテーナーです。ワイヤーは歯の中心あたりを走っており、口を開くとワイヤーが見えます。
ワイヤーで締め付けられることによって、全体の歯並びを固定します。抜歯を伴う歯科矯正の治療後によく使用されるタイプです。
(2)ホーレータイプリテーナー(着脱可能)
歯の表側をワイヤーで囲み、裏側はプラスチックで囲むことによって、歯の位置を固定するリテーナーです。
ベッグタイプリテーナーとの違いとして、後戻りのリスクが高い前歯を特にしっかりと固定します。
前歯の表面だけにワイヤーが通っているため、口を開けたときはベッグタイプリテーナーよりも目立ちません。
ホーレータイプリテーナーも取り外しが可能で、より目立たないワイヤーが白色や透明タイプもあります。
(3)スプリングリテーナー(着脱可能)
ホーレータイプリテーナーと同様に、歯の表側がワイヤーで、裏側がプラスチックで歯を囲む着脱可能なリテーナーです。
表部分のワイヤーは犬歯あるいは第1小臼歯まで伸びており、後戻りのリスクが特に高い下顎の前歯を集中的に保定する役割があります。
保定範囲が限定的で、部分矯正のリテーナーとして多く用いられています。
(4)トゥースポジショナー(着脱可能)
着脱可能で、シリコンでできているリテーナーです。
歯並びの度合いが軽度の患者さんに用いられたり、ワイヤー矯正後の軽い歯並びの乱れの修正に用いられたりします。
(5)インビジブルリテーナー(マウスピースタイプなど。着脱可能)
マウスピースタイプなど、審美性に優れたタイプのリテーナーです。
透明で歯にフィットするため、装着していることがほとんどわかりづらいのが魅力です。
マウスピースタイプは歯全体を覆うような構造となっています。
基本的には上の歯と下の歯にそれぞれリテーナーを装着するため、保定期間中に噛み合わせを安定させるのには向いていません。
また、薄いシート状の素材でできているため、硬いものを噛んだり寝ている間に歯ぎしりしたりすると、破損する可能性があります。
自分で着脱できるので、マウスピース矯正と同じように、食事や口腔ケアを普段通り行えます。
(6)フィックスリテーナー(ワイヤー。固定式)
個々の患者さんに合わせて作成し、前歯の裏側に接着するタイプのリテーナーです。
一般的に、金属製あるいは透明なプラスチック製で作られます。
歯に固定するため、自力での着脱は不可です。
接着後は保定期間が終了するまでつけっぱなしとなるため、歯磨きに工夫が必要となります。
(7)リンガルリテーナー(固定式)
犬歯の間の前歯を固定するために、歯の裏側に接着するタイプのリテーナーです。
フィックスリテーナーと同様で、一度付けると保定期間が終わるまではずっとつけっぱなしとなります。
食べかすや歯石がつきやすくなることから、丁寧に歯磨きをおこなう必要があるでしょう。
矯正前から矯正後までの歯の動きを動画で確認することができ、患者さんの歯の状態に合わせたリテーナーをご提案いたします
3.リテーナーを使用する場合のポイント
リテーナーは、矯正期間終了後、保定期間が始まったらすぐに着用が始まります。
着用方法については歯科医師より指示がありますが、リテーナーを使用するときに覚えておきたいポイントについて解説します。
(1)保定期間は1~2年
保定期間は、1~2年です。
理想は2年と言われており、長いぶんには問題ありませんが、短いと歯が後戻りするリスクが非常に高いです。
矯正終了後にリテーナーを装着しなければ、ほぼ確実に後戻りすると言われており、矯正治療において必要不可欠な期間です。
(2)食事・歯磨きのとき以外は着用し続ける
リテーナーの1日あたりの着用時間は、「20時間以上」とされています。
着脱可能なリテーナーを使う場合、外すのは食事と歯磨きのときだけです。それ以外は、常にリテーナーを着用しましょう。
なお、リテーナーが変形する可能性がある熱い飲み物や、着色の可能性があるコーヒー、紅茶などを飲む場合も、リテーナーは取り外します。
糖質を多く含む飲み物(ビールやスポーツドリンク、ジュースなど)を飲んだあとは、リテーナーのお手入れを忘れないようにしましょう。
また、リテーナーを着用する時間は、保定期間が進むごとに「半日着用」「夜だけ着用」など少しずつ減っていきます。
(3)正しい着脱方法を覚える
リテーナーの装着方法は種類によっても異なりますが、「前歯からつけて奥歯から外す」というのが正しい着脱方法です。
またリテーナーを噛みながら装着する人がいますが、これは破損の原因となります。
リテーナーを着用するときは、指やチューイ(主にマウスピース型のリテーナーで使用される装着補助器具)で歯にしっかりとはめこむようにしてください。
(4)保定期間も通院する
保定期間中は、歯科医院に定期的に通院して、リテーナーの状態や歯並びなどをチェックします。
一般的に、保定期間に入った最初の数ヵ月間はひと月に一度、その後経過を見ながら2~3ヵ月に一度、半年に一度、と通院の間隔を空けていきます。
矯正中も保定期間中も、最低限の通院回数で矯正をすすめられます。
(5)正しく保管する
リテーナーの破損の原因として、特に注意したいのが「保管方法の不備」です。
リテーナーを外したとき、テーブルに置いたままにしていたら、床に落ちて踏んでしまった。
ケースに入れずポケットに入れていたら、変形してしまった。
こうしたケースを防ぐため、リテーナーを外しているときはなるべく専用のケースに入れておきましょう。
(6)定期的に新しいリテーナーと交換する
リテーナーは、種類にもよりますが、定期的に新しいものに交換する必要があります。
特にマウスピース型のリテーナーは破損や変形がしやすく、2ヵ月に1度新しくすることを推奨しています。
ただし、マウスピース型のリテーナーは他のリテーナーよりもリーズナブルなため、他の方法に比べて費用がかさみやすいということはありません。
(7)作り直しには費用と時間がかかる
リテーナーを破損・紛失してしまった場合は、作り直すのに費用がかかります。
リテーナーのタイプや歯科医院によって費用は変わりますが、5,000円〜50,000円が相場とされています。
リテーナーを作り直す場合は、2週間〜1ヵ月程度かかる場合が多いです。
その間、リテーナーによる保定ができなくなるため、後戻りを防ぐための治療を別途行なうこともあります。
このように、リテーナーの作り直しには費用・時間がかかってしまうため、壊したりなくしたりしないように十分気をつけましょう。
4.リテーナーのお手入れ方法
リテーナーをお手入れしないまま放置すると、プラークや歯石が付着して、歯の健康に悪影響を及ぼします。
保定期間中は、必ず定期的にリテーナーをお手入れすることが大切です。
リテーナーをお手入れするときは、次のポイントを意識しましょう。
- 毎日歯ブラシでブラッシングする
- 週1〜2回、コップに水やぬるま湯を入れて、そこにリテーナー→洗浄液の順序で入れる
- コップに一定時間入れたあと、水でよくすすぐ
5.信頼できる医師による矯正治療はhanaravi(ハナラビ)へ
保定期間に用いるリテーナーは、皆さんの歯並びをキレイに保つために欠かせない存在です。
今回ご紹介したことを参考にしつつ、歯科医師の指示に従って正しくリテーナーを着用するようにしましょう。
hanaravi(ハナラビ)では、高い技術力がある歯科医が、患者さん一人ひとりに合った矯正方法・保定方法をご提案いたします。
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