医療費の一部が還付される「医療費控除制度」というものがあることを知っているでしょうか。
一般的に、マウスピース矯正などの歯科矯正は保険の適用外なので治療費用が高額になりがちです。
しかし、医療費控除制度をうまく活用して還付を受けることで、治療費用をおさえられる可能性があります。
この記事では、医療費控除制度の基礎知識を紹介しつつ、矯正治療が控除の対象となる条件や、申請方法、注意点、実際にいくらお金が戻るのかなどを解説します。
また、そもそもの費用を抑えるためには、サービス選びも大切です。
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ご自身の場合、費用がどのくらいかかるかご確認してみてはいかがでしょうか。
目次
医療費控除とは?
医療費控除とは1年間にかかった医療費が、規定の金額を超えた際に、支払った医療費をもとに計算した金額分の所得控除を受けられる制度です。
所得控除とは、所得税などを計算する際に基準になる課税所得(税金がかかる分の所得)を減らすことができる仕組みです。
つまり確定申告の際に医療費控除を申請することで、申請する年1年間(1月〜12月)に支払った医療費に応じて課税所得が少なくなり、納める税金の金額が減る、あるいは納めた税金が一部還付されます。
生計を共にする家族の範囲は?
医療費控除制度を利用する際に議論に上がることの多い「生計を共にする家族」とは、生活費を共有している家族を指します。
扶養関係にある夫婦と親族及び、共働きで扶養関係のない夫婦や、仕送りをしている子どもや両親、介護をしている祖父母などが含まれ、上記の範囲内の家族であれば医療費を合計することができます。
医療費控除が受けられる一定の金額はいくら?
医療費は病院にかかった方全員が受けられる訳ではなく、一定の金額を超えた場合に医療費に基づいて計算した金額分が控除を受けられます。
ここで述べた一定の金額は確定申告を行う納税者の所得によって異なり、2パターンの計算方法があります。
年間の総所得が200万円以上の場合
年間の総所得が200万円以上であれば計算はシンプルです。
1年間に10万円以上の医療費がかかった場合(会社から医療補助などが支払われていない場合)支払った医療費の総額から10万円を差し引いた金額が医療費控除の対象となります。
医療費控除額=1年間で支払った医療費の総額 − 受け取った医療補助金と保険金の総額 − 10万円
年間の総所得が200万円未満の場合
年間の総所得が200万円未満の場合の控除額は、年間に支払った医療費の総額から所得の5%を引いた金額になります。
例えば、年間所得が150万円であれば150×0.05=7.5なので、支払った医療費の総額から7万5千円を差し引いた金額が医療費控除の対象になります。
医療費控除額=1年間で支払った医療費の総額 − 総所得×5%
歯科矯正は医療費控除の対象になる?
歯科矯正は医療費控除の対象になる場合とならない場合があります。
どのような場合に医療費控除となるのでしょうか。医療費控除を受ける際の条件について知っておきましょう(参照:医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例|国税庁)。
子どもの歯科矯正は基本的に医療費控除の対象になる
発育過程の子どもが歯科矯正をした場合は、歯やあごが適切な成長をするために必要な治療行為と認められます。
そのため、歯並びを治す歯列矯正であっても医療費控除の対象となります。
ただ、一般的に小学生から中学生の年齢であれば成長のために必要な子どもの矯正と見なされますが、最終的な判断は税務署が行うため注意が必要です。
大人の歯科矯正は機能回復のための治療のみ
大人の矯正治療で医療費控除の対象になる場合は、噛み合わせや歯並びに問題があり、咀嚼(そしゃく)に支障をきたす、あるいは発音に影響を及ぼすなど機能面に悪影響があると認められた場合に限ります。
つまり、機能を回復させるために必要な治療のみが医療費控除の対象と見なされるということです。
例えば、「噛み合わせが悪く食べ物をしっかりと噛むことができない」「歯並びが悪く滑舌に問題がある」などの場合が当てはまります。
このように、咀嚼改善や発音障害を治すためであれば、年齢を問わず医療費控除の対象となります。
確実に医療費控除の対象になるためには?
歯科医師から「噛み合わせや歯並びの問題で機能的な問題があり、矯正治療が必要である」といった内容の診断書を受け取り、確定申告の際にその診断書を提出すれば医療費控除を受けることができます。
医療費控除を受けることを前提に矯正治療を検討するのであれば、矯正治療が医療費控除の対象になります。
診断書をもらうことができるのかどうかを前もって歯科医師に確認しておきましょう。
医療費控除の対象外となる場合とは?
歯並びを改善する歯列矯正でも、容姿をよくするために矯正を行うといったような、美容目的にかかった医療費は控除の対象外となるため注意が必要です。
また、保険のきかない自由診療による歯の治療や、必要以上に高価な材料を使った高額な治療費は医療費控除の対象になりません。
さらに、美容目的のホワイトニングも医療費控除の対象外となりますので、注意してください。
医療費控除の”医療費”は何が含まれる?
ここまでで医療費控除について、制度の内容や控除の対象になる条件などを解説しました。
では医療費控除における「医療費」には何が含まれるのでしょうか。
結論から言うと、医療費控除の対象になる「1年間に支払った医療費」とは、1月から12月までに支払った「治療費」と「通院のための交通費」を指します。
医療費控除に含まれるもの
・歯科矯正治療費(検査費用、診察料、装置代、処置料、処方された医薬品などの費用など)
・デンタルローンやクレジットカードで分割支払いした歯科矯正治療費
・通院のための交通費(公共交通機関を利用した場合)
医療費控除に含まれないもの
・予防や健康増進のために用いられた医薬品の費用
・ローンや分割支払いの際の手数料や金利
・通院に自家用車を使った場合のガソリン代や駐車料金
医療費控除の手続きはどうやる?
医療費控除の手続きは確定申告を通じて行います。
確定申告は税務署に書類を提出するか、郵送で送付しますが、近年ではネットでの電子申告も可能になりました。
会社勤めの方は年末調整があるため、毎年の確定申告を行わないことがほとんどです。
しかし、医療費控除を受ける場合は年末調整に含まれないため、自分で確定申告を行う必要があります。
医療費控除のやり方
step①:医療費明細書を作成
まずは、実際に受けた治療が医療費控除の対象になるかを確認してください。
step②:医療費控除額と還付額を計算
その後、「医療費のお知らせ」や治療の際の領収書から医療費控除額と還付額を計算します。
医療費控除額は上述した通りで、還付額の計算に関しては記事の後半で説明いたします。
step③:確定申告書と医療費控除の明細書を作成
医療費控除の申請のためには、自身で作成した確定申告書に医療費控除の明細書を添付して、税務署に提出する必要があります。
確定申告書も医療費控除の明細書も国税庁のHPよりダウンロード可能で、勤務先で配られる源泉徴収票やstep②で計算した内容などをもとに詳細な内容を書き込みます。
step④:還付金の受け取り確認
確定申告の申告期間は2月16日~3月15日となっており、申告後1〜1ヶ月半後に還付金が振り込まれるのでそれを確認しましょう。
医療費控除の申告をする際に必要なもの
医療費控除を申告する際に必要なものや必要書類は以下の通りです。
- 給与所得の源泉徴収票
- 医療費の明細や領収書
- 会社から支払われた医療補助金
- 申告者の口座番号
- 印鑑
- 診断書(大人の歯列矯正などの場合)
- デンタルローンの契約書や信販会社の領収書
申告の際に知っておくこと
過去に申告を忘れていても、治療から5年以内であれば、さかのぼって医療費控除を申告することができます。
医療費などの控除申告は確定申告の期間でなくても受け付けてくれるため、管轄の税務署に相談してみてください。
平成29年の確定申告から医療費控除には「医療費控除の明細書」の添付が必要になりました。
税務署から提出を求められた際に必要になりますので、自宅で5年間保管しておく必要があります。
いつまでに誰が医療費控除の手続きをする?
医療費控除の申告はいつからいつまでに申告するのか、また生計を共にしている家族の誰が申告を行えばいいのでしょうか。
いつまでに医療費控除手続きをする?
所得税の確定申告は原則2月16日から3月15日ですが、医療費控除は還付申告にあたるため、申告したい年の翌年1月から申請が可能です。
また、申請したい年(医療費がかかった年)の翌年から5年以内であればいつでも申告が可能です。
過去の医療費控除申告をし忘れていても、過去5年分の医療費であれば今からの申告で対応が可能なので該当する方はぜひ申告してみてください。
誰が医療費控除の手続きをする?
医療費控除は、支払った税金に対して還付されるため、所得があり所得税を収めている方が手続きを行います。
扶養控除から外れている共働きの夫婦の場合、夫婦のうちどちらも申請が可能です。
還付金の受け取りは、申告者が納める税金によって還付金額が変わるので、所得が多い方が申告した方が還付金の金額が高くなります。
医療費控除を申告することで還付金はいくら受け取れる?
還付金は、総所得によって異なります。
年間の総所得が200万円以上の方であれば、申請する1年にかかった医療費から10万円(年間の総所得が200万円未満の場合は所得の5%)を差し引いた金額が医療費控除の対象になる金額です。
最終的に還付される金額は、医療費控除の対象になる金額に、申請者が納めた所得税の税率をかけた金額です。
- 還付金=医療費控除額×所得税率
1年間の総所得に対する税率(納める所得税率)は以下の通りです。
課税所得金額 | 税率 |
---|---|
195万円以下 | 5% |
195万円〜330万円以下 | 10% |
330万円〜695万円以下 | 20% |
695万円〜900万円以下 | 23% |
900万円〜1,800万円以下 | 33% |
1,800万円〜4,000万円以下 | 40% |
4,000万円〜 | 45% |
医療費控除の計算事例
以下では、医療費控除の申請によって還付される金額を、事例をもとに解説します。
事例1:前歯の見た目を直すためにマウスピースで部分矯正を行い、30万円払った。
事例2:かみ合わせが悪かったのでワイヤーで全体矯正を行い、100万円払った。
かみ合わせの治療のために矯正を行った場合は、機能を回復するために必要な治療であったと見なされ、医療費控除の対象となります。
例えば、患者さんの総所得が200万円以上であり、課税所得が所得税率が30%であった場合を考えます。
この時、治療費100万円-10万円=90万円が医療費控除の対象額となり、還付額は、90万円×30%=27万円となります。
医療費控除の注意点
医療費控除を受ける時には上述したこと以外にもいくつか注意点があります。
注意点①:治療費の領収書を5年間保管しておく
医療費控除を受けるためには、治療費の領収書を5年間保管しておく必要があります。
確定申告の計算の際には治療費の領収書が必要となります。
また、税務署が医療費控除の明細書の内容を確認するため、申告期限等から5年間は領収書の提示または提出を求められる場合があります。
そのため、確定申告が終わったからといって領収書を処分してしまわないようにしましょう。
注意点②:デンタルローンなどで分割支払いした場合は支払年に申告をする
デンタルローンやクレジットカードで分割払いをした場合も、医療費控除の対象になることは上述しました。
ここで重要になるのが支払いを行った日付になります。
年内に支払った分だけが医療費控除の対象になるので、年をまたぐ支払いになる場合はこのことに注意しましょう。
注意点③:医療費控除を受ける場合には矯正費用を一括で支払った方が得になる
歯科矯正の費用は、一括払いと分割払いのどちらでも支払いができる場合が多いです。
分割払いで支払いが複数年に及ぶ場合は、各年に支払った医療費の額がその年の医療費控除の対象になります。
医療費控除の計算の都合上、年をまたいで分割するよりも、まとめて1年間で支払って申請する方が医療費控除の恩恵を受けられます。
金銭面で余裕がある方は、分割払い手数料を払う必要もなく二重で得ができる一括払いを選ぶと良いです。
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今回は矯正における医療費控除についてまとめてきました。
医療費控除は内容が複雑なこともあり、矯正治療をしている方でも理解していないことが多いのが現状です。
本記事を参考に、矯正をする際には医療費控除が使えるのかどうかをご確認いただければ幸いです。
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