矯正治療が終了したら、そのままずっときれいな歯並びを維持できるわけではありません。
歯並びを維持するために、リテーナーと呼ばれる装置をつける必要があります。
では、リテーナーをつけないと矯正した歯はどうなってしまうのでしょうか?
この記事では、リテーナーをサボったらどうなってしまうのかや、サボってしまった後の対処方法について解説します。
目次
1.リテーナー(保定装置)の大切な役割
歯科矯正では、矯正治療が終了した後に歯並びを安定させる「保定期間」が必要です。
そして、保定期間で用いる器具が「リテーナー(保定装置)」です。
歯科矯正直後の歯の周囲にある組織は、まだ完全には固定されていません。
この状態を放置すると、歯は歯科矯正前の状態に動いてしまいます。これを「後戻り」と呼びます。
保定期間は、矯正によって動いた歯を固定し、キレイな歯並びを維持するために必要な期間なのです。
そしてリテーナーには、保定期間中に歯を固定するという大事な役割があります。
矯正前から矯正後までの歯の動きを動画で確認することができ、具体的な仕上がりイメージを確認したうえで矯正を始められます。
2.リテーナーをサボったらどうなる?
保定期間に入ると、患者さんは歯科医師の指示に従ってリテーナーを装着します。
リテーナーには、マウスピースのように着脱可能なタイプと、保定期間中はつけっぱなしになるタイプなどがあります。
着脱可能なタイプのリテーナーは、基本的にほぼ1日中付けることになります。
もしもリテーナーの着用をサボってしまうとどうなるのでしょうか?
ここでは、リテーナーをサボることで起こる可能性があるトラブルを紹介します。
リテーナーについてより詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
リテーナーの種類は何がある?矯正治療後の保定装置について詳しく解説(1)1日でもサボると装着時に違和感や痛みを覚える
リテーナーをつけると、一時的に違和感や痛みを覚えますが、しばらく経つと痛みはなくなります。
しかし、半日〜1日でもリテーナーをサボると、装着時の違和感が大きくなる場合があります。
矯正治療直後の歯は、たった1日でも元の位置に戻ろうとわずかに動いてしまいます。
1日程度サボったとしても、次の日からリテーナーをしっかり着用していれば、違和感はすぐになくなるでしょう。
しかし、リテーナーをサボる回数が増えたり、サボる日数が長くなったりすると、その分後戻りのリスクは高くなります。
(2)1週間、1ヶ月サボると装着できなくなる可能性も
もしも、リテーナーを1週間や1ヶ月など長期間サボってしまうとどうなるのでしょうか?
リテーナーを長期間サボると、その分歯は後戻りするため、ほぼ確実にリテーナーを作ったときと歯並びが変わってしまいます。
すると、リテーナーを装着するときに大きな痛みを覚えるだけでなく、急激に歯が動かされるため歯や周辺組織を傷めてしまうこともあります。
後戻りの進行度合いによっては、リテーナーを装着することができなくなる可能性もあります。
そうなると、リテーナーをあらためて作り直す必要が生じてしまうのです。
(3)リテーナーを作り直すには費用・時間がかかる
リテーナーの種類にもよりますが、リテーナーの作り直しには5,000〜50,000円の費用がかかります。
また、リテーナーを作り直すには2週間〜1ヶ月の期間が必要です。
当然、その間は矯正治療も中断されるため、トータルの治療期間がさらに長引いてしまいます。
そのため、予備のリテーナーを持つことも推奨されています。
(4)歯の動きによっては再矯正の必要も
リテーナーをサボってしまった場合、「後戻りの度合い」によっては矯正治療をやり直す「再矯正」の必要性が生じることもあります。
歯科医院の提供する治療内容や後戻りの状態にもよりますが、再矯正には30万〜60万円など高額な費用がかかります。
3.リテーナーをサボったときの対処法
リテーナーをサボってしまった場合、リテーナーを装着できる状態か、装着が不可能かによって対処方法が変わります。
(1)リテーナーを装着できる場合
リテーナーを1日〜数日サボってしまった場合、まずはリテーナーを装着してみてください。
違和感や痛みが若干あるものの、リテーナーを装着することができるのであれば、そのままリテーナーを使用しましょう。
リテーナーには、多少ではありますが後戻りした歯並びをもとに戻す役割があります。
今後サボらずにリテーナーを装着し続ければ、後戻りをリカバリーしてキレイな歯並びを手に入れられはずです。
(2)リテーナーが歯にはまらなくなっている場合
リテーナーが歯にしっかりはまらず浮いてしまう。
リテーナーをつけると激しい痛みがする。
そもそもリテーナーの装着ができない。
こうした状態に当てはまる場合、リテーナーがあなたの歯の状態に合わなくなっています。
もしもリテーナーが合わなくなってしまったら、すぐに治療を受けた歯科医院で歯の状態を診てもらいましょう。
その後、医師の指示に従ってリテーナーを作り直したり、再矯正が必要になる可能性があります。
5.リテーナーの正しい使い方
保定期間を経てキレイな歯並びを手に入れるには、リテーナーを正しく使うことがとても大切です。
ここでは、リテーナーを使用するときに覚えておきたい知識をまとめて解説します。
(1)保定期間は1~2年
矯正治療は、歯並びを整える矯正期間と歯並びを固定する保定期間の両方が必要です。
保定期間は、一般的に1~2年必要といわれています。
リテーナーをサボったり後戻りが進行してしまうと、保定期間はその分伸びてしまいます。
保定期間はリテーナーをしっかり装着したかどうかにかかっています。
この後に紹介するポイントを守って、正しくリテーナーを装着するようにしましょう。
(2)1日あたりの着用時間は20時間以上
着脱できるタイプのリテーナーは、1日あたり20時間以上はリテーナーを装着する必要があります。
基本的に、食事しているときと歯磨きのときを除いて、1日中リテーナーを装着するようにしてください。
ちなみに、歯並びが安定してくるとリテーナーをつける時間は徐々に減っていきます。
最終的には、夜寝るときだけ装着すればいい状態になります。
(3)正しいメンテナンス方法を覚える
リテーナーは長時間・長期間にわたって装着するため、プラークや歯石などが付着していきます。
このままリテーナーを装着し続けると、歯の健康に悪影響を及ぼして、虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまうのです。
そのため、保定期間中は必ず定期的にリテーナーをメンテナンスしましょう。
リテーナーをメンテナンスするときは、「毎日歯ブラシでブラッシングする」「週1〜2回、専用の洗浄液に30分ほど浸ける」ことを意識しましょう。
なお、熱い飲み物や着色の可能性があるコーヒー・紅茶などを飲む場合は、リテーナーを外しておきましょう。
また、糖質を多く含む飲み物(ビールやスポーツドリンク、ジュースなど)を飲んだあとは、はやめにリテーナーを洗浄してください。
(4)破損・紛失したらすぐ歯科医院へ
リテーナーを使用していると、リテーナーを壊したりなくしたりすることがあります。
どちらのケースにおいても、リテーナーを使用できなければ保定期間がストップしてしまうので、必ず歯科医院へ相談してください。
リテーナーは、次のようなケースで壊してしまうことがあるので、使用中には十分気をつけてください。
- 強く噛みしめたり歯ぎしりを起こす
- リテーナーを外すときに専用のケースに保管しない(テーブルに置いたリテーナーが床に落ちて、誤って踏んでしまうことがあります)
- リテーナーをそのままポケットなどに入れてしまう(移動中に変な力が加わり、変形したり壊れたりします)
紛失や破損は誰にでも起こり得ます。
そのため、予備のリテーナーを持っておくことも大切です。
6.リーズナブルで安心なマウスピース矯正はhanaravi(ハナラビ)へ
リテーナーは矯正治療して整った歯並びを固定させるために欠かせない装置です。
リテーナーの装着をサボってしまうと、せっかく治療してキレイになった歯並びがもとに戻ってしまいます。
記事で紹介したポイントを参考に、正しくリテーナーを使用していきましょう。
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