マウスピース矯正とは、透明で目立たないマウスピースを使って歯列を矯正する治療法です。
見た目に目立ちづらく自由に着脱できる点から 「生活の質を落とさずに矯正できる」と近年人気を集めています。
この記事では、マウスピース矯正の概要や安全性、他の治療法との違い、実際の矯正症例などについて徹底的に解説します。
マウスピース矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.マウスピース矯正とは?
マウスピース矯正とは、マウスピース型の矯正装置による歯列矯正のことです。
マウスピース矯正では、少しずつ形の異なるマウスピースを1日20時間以上装着します。 マウスピースは一定期間ごとに異なる型へ交換して、徐々に歯並びを整えていきます。
(1)マウスピース矯正で歯が動く仕組み
歯は骨から直接生えているわけではなく、歯根膜(しこんまく)によって歯槽骨(しそうこつ:歯茎の骨)に固定されています。
歯根膜は1mm以下の非常に薄い組織で、歯根部分の表面にあるセメント質と歯槽骨の間を結び付ける役割を持つ繊維性の膜(組織)です。
矯正装置により継続的に歯に圧力を加えることで、以下の変化が起こります。
- 圧がかかった側(歯が動く方向の歯の側面)の歯根膜は厚さが縮まる
- 逆側(押されている側)の歯根膜が引っ張られ組織が伸びる
- 圧迫された側の歯根膜に骨を溶かす細胞(破骨細胞)が出現し、スペースができる
そのスペースを利用し、歯を動かしていくことで歯並びを改善するのが歯列矯正の仕組みです。
※骨が溶けるといっても、歯が動いた後には骨芽細胞によって新しい骨が作られるので心配はいりません。 そして、マウスピース矯正はマウスピースによって歯に力をかけ続けることで、少しずつ歯列を整えていくのです。
マウスピース矯正では、下の画像のように少しずつ形の異なるマウスピースを1~2週間ごとに交換します。
継続的に力を加えることが重要であるため、1日20時間程度マウスピースを装着する必要があります。
(2)実は30年以上の歴史がある治療方法
日本で注目度の上がっているマウスピース矯正ですが、既に30年以上の歴史があります。
このあとに紹介する「ワイヤー矯正」と同様に、多くの治療実績が報告されている信頼のある治療方法です。
利用者数も年々増加しており、世界のマウスピース矯正装置の市場規模は2030年までに323億米ドル(4兆886,3億円ほど)に達すると予想されています。
Grand View Research, Inc.の新しいレポートによると、世界のマウスピース型矯正装置の市場規模は2030年までに323億米ドルに達し、予測期間中に30.08%のCAGRを記録すると予想されています。(出典:マウスピース型矯正装置の市場規模、シェア、動向分析レポート:年齢別(成人、ティーン)、エンドユーザー別(病院、単独診療、グループ診療、その他)、地域別、セグメント別予測、2023年~2030年)
2.【症例写真】マウスピース矯正の効果と治療事例
マウスピース矯正は比較的新しい治療法なので、「本当にマウスピース矯正って効果あるの?」という疑問や不安をお持ちの方もいるでしょう。
そこで、実際にhanaravi(ハナラビ)でマウスピース矯正を行った患者様の症例について、矯正前後の画像を比較しながらご紹介します。
(1)すきっ歯:期間約6ヶ月・治療費30万円
症状 | 正中離開(すきっ歯) |
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費用 | ¥300,000(検査代+処置代+アライナー代+リテーナー代込み) |
期間 | 約6ヶ月 |
年齢 | 31歳 |
性別 | 男性 |
治療内容 | 11番、21番が正中から離れている為、そこを優先的にマウスピースで動かしてで埋める。 それに伴い上下顎の軽度のガタツキを治療。 |
リスク | 歯を動かすことによって歯と歯肉との間に隙間ができてしまうことがございます。 この場 合は歯を削る処置を行い歯同士をより密着させて隙間を無くす処置をとります。 歯を動か すことによって歯根が短くなり、治療後に歯がグラグラしてしまう事が考えられます。 先 天的な要因でそのリスクが高い方にはレントゲンによる画像診断を行います。 矯正治療中 に歯に大きな力が加わると稀に歯の神経が死んでしまうことがございます。矯正治療に よって噛み合わせが変化し、顎関節症になってしまうリスクが考えられます。 多くの場合 は経過観察を行っていく中で自然に治っていきます。 |
(2)出っ歯(口ゴボ):期間約8カ月・治療費45万円
上の前歯が極端に前に突き出している状態です。
歯の生える向きが悪いケースのほか、顎の骨そのものが前に突き出ている「上顎前突」と呼ばれるケースもあります。
症状 | 上顎前突(出っ歯) |
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費用 | ¥450,000(検査代+処置代+アライナー代+リテーナー代込み) |
期間 | 約8ヶ月 |
年齢 | 21歳 |
性別 | 女性 |
治療内容 | 11番、21番の前突をマウスピースにて舌側傾斜させて改善。 |
リスク | 歯を動かすことによって歯と歯肉との間に隙間ができてしまうことがございます。 こ の場合は歯を削る処置を行い歯同士をより密着させて隙間を無くす処置をとります。 歯を動かすことによって歯根が短くなり、治療後に歯がグラグラしてしまう事が考え られます。 先天的な要因でそのリスクが高い方にはレントゲンによる画像診断を行い ます。 矯正治療中に歯に大きな力が加わると稀に歯の神経が死んでしまうことがござ います。矯正治療によって噛み合わせが変化し、顎関節症になってしまうリスクが考 えられます。 多くの場合は経過観察を行っていく中で自然に治っていきます。 |
(3)ガタツキ(叢生・そうせい):期間約1年・治療費45万円
歯と歯の間に隙間が空いてしまう症例を指します。歯が小さかったり、ねじれなどによってまっすぐ生えていなかったりと、さまざまな原因で発生します。
症状 | 叢生(前歯のガタツキ) |
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費用 | ¥450,000(検査代+処置代+アライナー代+リテーナー代込み) |
期間 | 約1年 |
年齢 | 28歳 |
性別 | 女性 |
治療内容 | 主訴は11番の前突、それによる歯列弓全体に及ぶ叢生をマウスピースを用いて改善。 |
リスク | 歯を動かすことによって歯と歯肉との間に隙間ができてしまうことがございます。 こ の場合は歯を削る処置を行い歯同士をより密着させて隙間を無くす処置をとります。 歯を動かすことによって歯根が短くなり、治療後に歯がグラグラしてしまう事が考え られます。 先天的な要因でそのリスクが高い方にはレントゲンによる画像診断を行い ます。 矯正治療中に歯に大きな力が加わると稀に歯の神経が死んでしまうことがござ います。矯正治療によって噛み合わせが変化し、顎関節症になってしまうリスクが考 えられます。 多くの場合は経過観察を行っていく中で自然に治っていきます。 |
3.マウスピース矯正の7つの大きな特徴
マウスピース矯正の特徴は、大きく分けて7つあります。
- 矯正装置の見た目が目立たない
- 自分で着脱可能
- 従来の方法よりも痛みや違和感が少ない
- 費用相場は60万~100万円(部分矯正は10万から40万円)
- 1日20時間の装着が必要
- 矯正期間は症例や治療期間によって異なる
- 金属アレルギーの人でも治療が可能
(1)矯正装置の見た目が目立たない
薄く透明なマウスピースを装着するだけなので、見た目に影響を与えません。
(2)自分で着脱可能
マウスピースは自分で簡単に着脱できるので、矯正前と同様に食事したり口腔ケアしたりできます。
そのため、歯科矯正中の虫歯・歯周病のリスクは最小限に抑えられます。
(3) 従来の方法よりも痛みや違和感が少ない
ワイヤー矯正と比較して、口腔内を傷つける危険性が低く、治療中の痛みや違和感が少ないとされています。
(4)費用相場は60万〜100万円(部分矯正は10〜40万円)
ワイヤー矯正の費用相場は60万〜130万円(部分矯正は30万〜60万円)であり、マウスピース矯正のほうが費用が低めです。
また、マウスピースは一度作成すれば歯科医師による調整の必要もないため、通院頻度も少なく済みます。
(5)1日20時間の装着が必要
マウスピース矯正はその効果を得るために、最低でも1日20時間はマウスピースを装着しないといけません。
歯を磨いたり食事をしたりする以外は、付けっぱなしで過ごす必要があります。
(6)矯正期間は症例や治療期間によって異なる
矯正期間は3ヵ月程度で済む場合もありますが、歯並びが大きく乱れていたり他の治療も並行して行う必要がある場合は、3年以上の治療期間が必要なこともあります。
歯科矯正でどれくらいの期間が必要かを知りたい場合は、歯科医院を受診してみましょう。
(7) 金属アレルギーの人でも治療が可能
マウスピースはポリウレタンなどから作られているため、金属アレルギーの人でも治療可能です。
マウスピース矯正の特徴をまとめると、見た目に目立たない、痛みも少ない、食事の妨げにもならない、アレルギーの心配もない、治療費が比較的リーズナブルなどが挙げられます。
4.マウスピース矯正5つのメリット
マウスピース矯正のメリットは、主に5つ挙げられます。
(1)矯正装置が目立たない
薄く透明なマウスピースを使用して矯正するため、見た目にも目立ちにくいという特徴があります。
結婚式や就職活動なども見た目を気にせずおこなえるため、矯正を中断せずにライフイベントを楽しめます。
(2)食事や口腔ケアの際に自分で取り外せる
マウスピースは着脱可能であるため、矯正をしていないときと同じように食事や口腔ケアをおこなえます。
ワイヤー矯正の場合は、矯正装置(ワイヤー)が邪魔で食事や口腔ケアに不便を覚えますが、そのストレスが一切ありません。
(3)従来の方法よりも痛みや違和感が少ない
従来のワイヤー矯正では、矯正装置が口腔内を傷つけて血が出てしまったり、口腔内に違和感を感じたりする場合が少なくありません。
マウスピース矯正の場合、歯並びに合わせた薄いマウスピースを装着するため、痛みや口腔内の違和感が出づらいというメリットがあります。
(4)金属アレルギーの人でも治療が可能
マウスピース矯正は金属を使用しない矯正方法なので、金属アレルギーの人でも治療が可能です。
ワイヤー矯正でも金属フリーのものがありますが、比較的費用が高額になりやすいという問題点があります。
(5)比較的低予算で矯正できる
マウスピース矯正は、従来の矯正治療と比べて低予算で治療できるケースが多いというメリットがあります。
- マウスピース矯正:60万~100万円(※部分矯正の場合は10万~40万円)
- 表側矯正(ワイヤー矯正):60万~130万円(※部分矯正の場合は30万~60万円)
- 裏側矯正(ワイヤー矯正):100万~130万円(※部分矯正の場合は40万~70万円)
ワイヤー矯正のように装置の定期的な調整も必要ないため、調整料もかかりません。※クリニックによって異なります
5.マウスピース矯正3つのデメリット
マウスピース矯正は、従来の矯正方法よりも比較的生活の質を落とさずに矯正できる魅力がありますが、一方でデメリットもあります。
具体的には、以下の3点です。
(1)マウスピース装着中は飲食できない
矯正装置を装着しているときは、基本的に水や炭酸水など以外の飲食ができません。
そのため、飲食のたびに着脱するのがおっくうだという人には、マウスピース矯正はおすすめできません。
ただし、マウスピースの着脱は数秒~数十秒でできるので、慣れれば着脱にわずらわしさはほぼ感じなくなるでしょう。
(2)対応が難しい症例がある
マウスピース矯正は、比較的軽度〜中度な歯並びの問題に向いているといわれています。
抜歯を行うなど歯を大きく動かす必要がある歯並びの場合、マウスピース矯正が難しいケースがあります。
自分の歯並びがマウスピース矯正できるかどうかは、専門の医師に相談して確認するようにしましょう。
(3)装着時間の自己管理が必要
マウスピース矯正は着脱可能であるため、装着時間を自己管理する必要があります。 装着時間が不足すると、歯並びを計画通りに改善できません。
自己管理といっても、「食事や口腔ケア以外は装着する」というルールを守れば問題ありません。
しかし、頻繁に会食がある仕事をしているなど、着脱の頻度が高い場合、マウスピース矯正は向いていないかもしれません。
ちなみに、hanaravi(ハナラビ)ならLINEを通じて、マウスピースの交換日連絡や装着時間の確認など、治療完了までしっかりサポートします。
6.マウスピース矯正が向いているのはどんな人?
マウスピース矯正が向いている方として、以下の特徴が挙げられます。
- 抜歯しなくても治療できる人:抜歯が伴うと期間が長くなりがちなため
- 歯列のガタつきが少ない人:軽いガタつきなら他の治療法より比較的安価なため
- 装着時間を管理できる人:装着時間が短いと治療が長引く原因になるため
- 骨格に問題がない人:骨格に問題があると矯正だけでは治療が難しいため
- 矯正装置を目立たせたくない人:裏側矯正より安く目立たず治療できるため
- なるべく安く矯正したい人:比較的リーズナブルなサービスが多いため
自分はマウスピース矯正に向いているのか気になった方は、専門の歯科医師に相談しましょう。
矯正方法が合う、合わないを判断するには専門的な知識・経験が必要になるため、無料相談などを行っているクリニックに相談するのがおすすめです。
7.マウスピース矯正以外の矯正方法の特徴・費用を比較!
歯科矯正には、マウスピース矯正以外に「表側矯正」「裏側矯正」「セラミック矯正」の3種類があります。
それぞれの矯正方法とメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
(1)表側矯正(ワイヤー矯正)
表側矯正とは、ブラケットと呼ばれる部品を歯の表面につけて、ワイヤーの力によって歯を動かす矯正の種類のことです。 最も歴史のある矯正方法であるため、医師たちの経験・知識も豊かであり、また多くの矯正歯科で導入されています。
表側矯正(ワイヤー矯正)は、大きく歯を動かす歯並びに適している方法だとされています。
費用の相場は60~130万円(※部分矯正の場合は30~60万円)で、矯正期間の目安は2年程度です。 表側矯正のメリット・デメリットは以下のとおりです。
(2)裏側矯正(ワイヤー矯正)
裏側矯正とは、歯の裏側(舌側)にワイヤー型の矯正装置をつけ、歯を動かしていく矯正の種類のことです。
表側矯正と比べて、医師の高い技術が必要になり、また費用も高くなってしまいがちです。
しかし、歯を大きく動かすことに向いているほか、表側矯正よりも矯正中の見た目が目立たないというメリットがあります。
費用の相場は100~170万円(※部分矯正の場合は40~70万円)で、矯正期間の目安は3年程度です。
裏側矯正のメリット・デメリットは以下のとおりです。
(3)セラミック矯正
セラミック矯正は、セラミック製の被せ物(人工補綴物)を使って歯並びや歯の色、歯の形を改善させる治療方法です。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正とは違い、歯並び自体を変えることはできませんが、短期間で見た目を綺麗に整えることができるのが魅力です。
ただし、健康な歯を削る必要があったり、定期的なメンテナンスが必要だったりするなど、他の治療よりもさまざまな手間がかかります。
そのため、費用は1本あたり8~18万円と、他の治療法に比べて高額です。 セラミック矯正のメリット・デメリットは以下のとおりです。
8.【体験談】マウスピース矯正、ワイヤー矯正を受けた実際の声を紹介
実際に矯正治療を受けた人から、矯正方法を選んだ基準や良かった点、後悔している点などについて体験談を寄せていただきました。
これから矯正を受ける人は、ぜひ参考にしてみてください。
(1)ワイヤー矯正を選んだAさんの体験談
「当時はマウスピース矯正についてあまり知らなかったので、なんとなくワイヤー矯正を選びました。
支払い方法については、一番総コストが低い方法をとりたかったので、一括払いを選びました(分割払いだと総額が高くなると案内されたため)。
ワイヤー矯正で気になったのは、思いのほか痛みが強かったことです。ワイヤーのせいで口のなかがズタズタになり、はじめのうちは痛すぎて食事も困難なほどでした。
マウスピース矯正ならもっと安い料金で治療できただろうし、痛みも弱くて済んだだろうと思います。
自己管理が上手で、長時間マウスピースを装着できる性格の人であれば、マウスピース矯正をおすすめします」
・思いのほか痛みが強かった
・マウスピース矯正の方が値段を安く抑えられると思った
(2)マウスピース矯正を選んだBさんの体験談
「見た目が目立つワイヤー矯正は嫌だったので、友人もやっていたマウスピース矯正を選びました。
診察のたびに6,000円かかる処置別支払い制のクリニックでしたが、歯科医師の意向で何度も矯正計画が変更になり、期間が伸び、総額費用も増えてしまったのが不満でした(結果的に140万円ほどかかりました)。
なので、トータルフィー制のクリニックを選べばよかったと思うこともあります。
あるいは、より短い期間で大きく歯を動かせるワイヤー矯正を選んでもよかったのかな、と思うこともあります。
料金だけではなく、歯科医師が自分に合っているか、最短期間で治療を行ってくれるかを確認するのが重要だと思います」
・医師の意向で期間が延び、費用も増えてしまった
・トータルフィー制のクリニックを選べばよかった
・他の選択肢も検討すればよかった
・治療法だけでなく歯科医師選びも重要だと感じた
(3)マウスピース矯正を選んだCさんの体験談
「複数の場所でカウンセリングを受けながら慎重にクリニックを選んでいたので、治療をはじめるまで時間がかかりました。
結局、より安い方法を選びたかったので、マウスピース矯正にしました。
ただ、マウスピース矯正は、症例によってはワイヤー矯正とほとんど変わらない値段になるので、『安い』と思い込みすぎないようにしたほうが良いと思います。
当時は学生で、まとまったお金を用意することができなかったので、分割払いを選びました。
マウスピース矯正はマウスピースの脱着ができる分、自己管理が必要になります。 治療のゴールを意識してモチベーションを保つことが重要だと感じました」
・症例によってはワイヤー矯正と値段は変わらないと思った
・自己管理が必要なためモチベーションを保つことが重要と感じた
9.マウスピース矯正をする矯正歯科を選ぶ3つのポイント
歯科矯正はクーリングオフができないため、一度契約してしまうと原則契約の破棄はできません。
だからこそ、慎重にマウスピース矯正をお願いする矯正歯科を選ぶ必要があります。
実際に歯科医院を探す場合は、次の3つのポイントに注意してください。
(1)歯科医師の技術力が高いか
1つ目のポイントは「歯科医師の技術力が高いか」です。
従来の矯正と同様、マウスピース矯正の成功・失敗は治療をおこなう歯科医師の治療技術によって左右されます。ですが、歯科知識のない人がそれを見極めるのは至難の業です。
そこでクリニックを選ぶ基準になるのが、日本矯正歯科学会の認定医や指導医を取得している歯科医師が在籍しているかどうかです。
矯正歯科の経験やスキルを確かめるためにも、担当する歯科医師が「認定医」や「指導医」なのか確認するといいでしょう。
日本矯正歯科学会では、歯並びの審美的な問題だけではなく咬み合わせなどの機能面や、最新の医療技術を駆使した矯正の研修などを行っています。
そこで研鑽を積んだ歯科医師を選べば、安心して治療を受けることができるはずです。
(参考:マウスピース矯正装置による治療に関する見解|日本矯正歯科学会)
(2)治療前の説明を丁寧におこなってくれるか
2つ目のポイントは「治療前の説明を丁寧におこなってくれるか」です。
技術があるというだけでなく、治療前の説明を丁寧にしてくれるかも重要です。
治療計画や費用、リスクなどを事前に説明してくれるクリニックを選びましょう。説明も十分にせず、検査や契約をすすめてくるクリニックは要注意です。
同時に、クリニック側の説明をなんとなくで聞き流さず、しっかり確認して疑問点を解消しておくことを忘れないようにしましょう。
(3)自分に合った矯正装置を選ぶことができるか
3つ目のポイントは「自分に合った矯正装置を選ぶことができるか」です。
マウスピース矯正を希望していても、実際に診断をしてみると適応外になる可能性もあります。
そのときに、別の最適な治療方法を提案してもらえるクリニックを選ぶと良いでしょう。
歯科矯正では、さまざまな種類の矯正装置があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。
またクリニックによって、取り扱っている矯正方法やマウスピース矯正ブランドは異なります。 美しい歯並びを手に入るためにも、ワイヤー矯正とマウスピース矯正のどちらも選べるクリニックを選ぶようにしましょう。
10. 代表的なマウスピース矯正ブランド
ここでは、代表的なマウスピース矯正ブランドをご紹介します。
(1)hanaravi(ハナラビ)
hanaravi(ハナラビ)は、株式会社DRIPSが運営するマウスピース矯正ブランドです。
創業者で医師の各務康貴が、救命救急の現場で「口腔環境を良くすることで、救える命を増やせないか?」と感じたことからサービスが始まりました。
hanaraviの最大の魅力は、最初に提示された料金だけで矯正をおこなえる点にあります。
多くの場合、アタッチメントやディスキング(歯の研磨)の処置には別途費用がかかりますが、hanaraviなら無料です。
また、指示通りにマウスピースを着用してもプラン通りに歯が動かなかった場合、そのプラン通りになるまで無料でプランの再作成をしてもらえます。
365日対応しているLINEサポートもあり、歯科医師との連携も密におこなっているため、通院回数が少なくても安心して矯正を進められるのも嬉しいポイントです。
矯正用マウスピースの厚みはおよそ0.5mmほどで、違和感の少ない装着感が魅力です。
最低限の通院回数(通常1~3回程度)で、自宅にいながら歯列矯正を進められます。
①hanaravi(ハナラビ)の特徴
- 処置料が矯正費用に含まれている(トータルフィーシステム)
- 原則追加費用が発生しない
- 契約前に矯正後の歯並びを確認できる
- 365日対応のメディカルチームサポート
- プラン契約者はリテーナー(保定装置)が1セット無料
②hanaravi(ハナラビ)の料金・矯正期間
hanaravi(ハナラビ)の料金プランは以下の3つです。
プラン |
料金 |
矯正期間の目安 |
Basicプラン (軽度な歪みやガタつきがある場合) |
月額3,600円(税別)/91回 または一括払い30万円(税別) |
5〜7ヶ月 |
Mediumプラン (軽〜中度な歪みやガタつきがある場合) |
月額4,500円(税別)/113回 または45万円(税別) |
7〜10ヶ月 |
Proプラン (中度以上の歪みやガタつきがある場合) |
月額6,300円(税別)/106回 または一括払い60万円(税別) |
8〜18ヶ月 |
※横スクロールで全文表示できます。
また、hanaravi(ハナラビ)では、デンタルローンを使うことも可能で、それにより月額3,600円※1という、非常にリーズナブルな価格で歯科矯正を受けることができます。(※1年利2.5%で91回払いの場合)。
hanaravi(ハナラビ)について詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。 非公開: hanaraviの口コミ、料金、メリット、デメリット、受診の流れを徹底解説
(2)インビザライン
インビザライン(invisalign)は、アライン・テクノロジー社が提供する世界トップクラスの治療実績を誇るマウスピース矯正ブランドです。
新しい素材の導入や研究など、独自のテクノロジーを用いた矯正システムです。 世界で最も浸透しているマウスピース矯正ブランドのひとつで、利用者数はアジア太平洋地域だけでも100万人を突破(2020年現在)しています。
2022年には、「インビザライン・システム」が歯列矯正装置として初めてグッドデザイン賞を受賞しています。
hanaravi(ハナラビ)と同様に、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換していくことで、理想の歯並びを目指します。
インビザラインの特徴
- 適応症例が多い
- 通院回数はクリニックによる
- 取り扱っている歯科医院が多い
- 世界で最も利用者が多い
- 契約前に矯正後の歯並びを確認できる
インビザラインの料金・矯正期間
インビザラインの料金・期間は以下の通りです。
(3)その他のマウスピース矯正ブランド一覧
主なマウスピース矯正ブランドの費用や矯正期間などを、一覧表にまとめました。各サービスの比較として、ぜひ参考にしてみてください。
費用 | 矯正期間 | 矯正範囲 | 通院の有無 | |
hanaravi | ・30万円(税別)(Basic) ・45万円(税別)(Medium) ・60万円(税別)(Pro) ※プランにより異なる | ・5~7カ月(Basic) ・7~10カ月(Medium) ・8~18カ月(Pro) ※プランにより異なる | 部分・全体矯正 | 通院不要 |
Oh my teeth | ・33万円(Basic) ・66万円(Pro) ※プランにより異なる | ・平均3か月(Basic) ・平均6カ月(Pro) ※プランにより異なる | 部分・全体矯正 | 通院不要 |
キレイライン | 23.1~41.8万円 ※回数で料金変動 | 5カ月~1年3カ月 | 部分矯正 | 通院あり(1.5~3カ月に1回) |
インビザライン | 20~100万円 ※回数で料金変動 | 3カ月~3年 | 部分・全体矯正 | 通院あり(1~3カ月に1回) |
アソアライナー | 10~40万円 ※回数で料金変動 | 4カ月~1年半 | 部分矯正 | 通院あり(1か月に1回) |
ホワイトライン | 22~46.2万円 ※回数で料金変動 | 3カ月~9カ月 | 部分・全体矯正 | 通院あり(2か月に1回) |
クリアコレクト | 15~70万円 ※回数で料金変動 | 3週間~3年 | 部分・全体矯正 | 通院あり(1カ月に1回) |
ウィ・スマイル | 10~66万円 ※回数で料金変動 | 1カ月半~10カ月 | 部分・全体矯正 | 通院あり(1カ月に1回) |
※横スクロールで全文表示できます。
11. マウスピース矯正の流れ
マウスピース矯正による治療を受ける場合の、契約前から契約後までのプロセスを解説します。
(1)カウンセリング
まずは歯科医院でカウンセリングを受けます。
歯科医師が口腔内のチェックをおこない、マウスピース矯正が適しているか、また費用や治療期間などについておおよその目安を伝えられます。
(2)検査・診断
カウンセリングの内容に納得できたら、精密検査を受けます。
数週間後、そのデータをもとに作成した治療計画(プラン)を提示してもらいます。
治療計画に納得できたら、いよいよマウスピース矯正の開始です。
hanaravi(ハナラビ)では、検査結果をもとに詳細な3Dイメージを制作します。
矯正前から矯正後までの歯の動きを動画で確認することができ、具体的な仕上がりイメージを確認したうえで契約するので安心です。
(3)矯正期間
矯正期間中は、矯正用マウスピースを1日20時間ほど装着します。
1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換し、すべてのマウスピースを装着し終わったとき、プラン通りの歯並びになっていれば矯正完了です。
矯正期間中は通常、数ヶ月ごとに経過観察や処置のために通院する必要があります。
しかしhanaravi(ハナラビ)などのマウスピース矯正ブランドは、オンラインで経過観察ができ、処置の必要がなければ定期的な通院が必要ありません。
またhanaravi(ハナラビ)では、指示通りに装着したにもかかわらずプラン通りに歯が動かなかった場合、当初のプラン通りになるまで無料でプランを再作成できます。
経験豊富な矯正専門の歯科医師が、矯正完了するまで責任を持ってサポートするのでご安心ください。
(4)保定期間
矯正終了後は、保定期間に入ります。 保定期間とは、矯正後の後戻りを防ぐためにリテーナーと呼ばれる保定装置を装着する期間のことです。
矯正後にリテーナーを装着しなかった場合、高い確率で後戻りするといわれているため、必ず装着しましょう。
リテーナーの種類やクリニックによっては、保定期間も定期的な通院が必要な場合があります。
保定期間は1~2年で、リテーナーの費用相場は2~3万円程度です。
マウスピース型のリテーナーの場合は装着するにつれて劣化したり変形、破損することがあるので、予備のリテーナーを持っておくと安心です。
hanaravi(ハナラビ)では、せっかく綺麗になった歯並びを維持していただくために、プランご契約者さま全員にリテーナーを無料でプレゼントしています。
12. マウスピース矯正に関するよくある疑問
こちらでは、マウスピース矯正に関するよくある疑問にお答えします。
(1)マウスピース矯正の治療は何年かかる?
矯正前の歯並びの状態にもよりますが、マウスピース矯正の治療期間の目安は1~2年です。
軽度の不正咬合や部分矯正の場合は数ヶ月で治療が完了するケースもあります。
(2)一日何時間マウスピースをつける?
1日20時間はマウスピースを装着する必要があります。
装着時間が短いと歯が計画通りに動かず、治療期間が長引いたり、追加費用が発生したりする可能性があります。
(3)マウスピース一枚でどれぐらい歯が動く?
マウスピース矯正ブランドにもよりますが、通常マウスピース1枚で0.25mm程度歯が動きます。
急激に動かしてしまうと、歯や周辺の組織を傷つけてしまう可能性があるため、1枚のマウスピース矯正で一気に歯を動かすことはできません。
(4)マウスピース矯正ってどれぐらい痛い?
マウスピース矯正の痛みに耐えられるか不安な人は多いですよね。 マウスピース矯正に限らず、矯正治療は多かれ少なかれ痛みが発生しやすいものです。
ただ、我慢できないほど痛い、また激しい痛みを感じることはほどんどありません。
hanaravi(ハナラビ)がおこなったアンケートでは、ほとんど痛い期間がなかったと回答する患者様が約37%いらっしゃいました。
痛みを感じた場合でも、装着後3日ほどでほとんどの人が痛みを感じなくなったと答えています。
(5)マウスピース矯正が向いていない歯並びは?
マウスピース矯正が向いていない歯並びとして、以下の症例が挙げられます。
- 重度の不正咬合
- 歯並びではなく骨格に問題がある場合
また、装着時間を自己管理する必要があるので、管理に自信のない人も難しいでしょう。
hanaravi(ハナラビ)では、マウスピースの装着や交換タイミングをLINEで教えてくるので、自己管理力に自信がない人にもおすすめです。
(6)矯正ブランドによって治療効果が違うの?
「マウスピース矯正ブランドによって治療効果が違う」というというよりは、「マウスピース矯正ブランドによって治療できる範囲が異なる」といった方が正しいでしょう。
実際、歯を動かす仕組みはどのマウスピース矯正ブランドでも変わりません。
部分矯正のみに対応しているブランドもあれば、部分矯正も全体矯正も対応しているブランドもあります。
先ほどの一覧表を確認しながら、ぜひマウスピース矯正ブランドを比較検討してみてください。
(7)マウスピース矯正は保険適用されるの?
マウスピース矯正も含め、歯科矯正は基本的に自由診療というものに区分されます。
保険が適用されるのは、病気や怪我などの治療に限定されます。
歯科矯正の場合は、「審美的な目的(見栄えをよくする)」であるほか、薬事法上では矯正用マウスピースは医療機器に該当しません。
こうした理由でも、マウスピース矯正での治療は自由診療=原則保険は適用されません。
一方、歯科矯正でも保険適用となるケースもあります。公益社団法人日本矯正歯科学会によると、下記の3つに当てはまる場合、歯科矯正であっても保険適用となります。
①「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常 ②前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る) ③顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る) 引用元:矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは
以下の記事にて、保険が適用されるマウスピース矯正について解説しています。ぜひこちらもご覧ください。
マウスピース矯正には保険適用される?費用や適用されるケースを紹介(8)マウスピース矯正中もホワイトニングできる?
マウスピース矯正中、同時に歯のホワイトニングをすることも可能です。一方、ワイヤー矯正はワイヤーが邪魔になり、効果的なホワイトニングができません。
マウスピース矯正は取り外しができるため、ホームホワイトニング・オフィスホワイトニングのどちらにも対応しています。
hanaravi(ハナラビ)のマウスピース矯正では、プランご契約者様にホワイトニングを無料でプレゼントしています。
提供しているホワイトニング剤は国内承認薬なので、安心してお使いいただけます。
(9)マウスピース矯正は出っ歯になりやすいって本当?
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べて出っ歯になりやすいといわれます。その理由は主に2つです。
- 前歯を後ろに移動させることが苦手なため、歯を後方へ引っ張れない
- 抜歯をともなう大きな歯の移動が苦手なため、抜歯をせず歯を動かす結果、歯が前方に動きやすい
どちらのケースも、歯科医師の技術力不足や患者様とのコミュニケーション不足などが原因で起こると考えられます。
hanaravi(ハナラビ)は、長く歯科矯正に携わってきた歯科医師が所属する歯科医院と契約しています。
患者様の歯並びの状態に合わせて適切な治療方法が提供できるため、「矯正後に出っ歯になってしまった」といった後悔につながることはありません。
13. マウスピース矯正ならhanaravi(ハナラビ)へ
hanaravi(ハナラビ)では、ワイヤー矯正・マウスピース矯正いずれにも詳しい、厳選された専門の歯科医師とのみ提携しています。
矯正経験が豊富な医師が治療を担当するので、安心して矯正ができます。
また、月々3,600円(税別)※1と、非常にリーズナブルな価格で歯科矯正を受けられます(※1年利2.5%で91回払いの場合)。
今なら無料相談受付中です。ぜひお気軽にお問い合わせください!
その他のhanaravi(ハナラビ)の特徴
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「定額制」で余計な費用負担ナシ
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「経験豊富な歯科医師」が担当するため、失敗も少ない
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「矯正後のイメージを見て契約」で、予定通りの矯正を実現
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「マウスピース矯正」で痛みも少なく、見た目も気にならない
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「リテーナー1回無料」でアフターケアも万全
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「LINEサポート」で通院不要
公式LINEアカウントから症状別の費用目安がチェックできますので、まずはお気軽にご確認ください。
監修歯科医師のご紹介
セレスタ麻里子 (矯正専門歯科医師 渋谷F&B矯正歯科・東京)
神奈川歯科大学歯学部卒。神奈川歯科大学歯学部歯科矯正学講座。日本矯正歯科学会。歯科矯正で15年のキャリアを持ち、ワイヤー矯正(表・裏)だけでなく、マウスピース矯正も専門とする。