デンタルフロスの使い方を歯科医師が解説!頻度や歯間ブラシとの違いも

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。 https://www.med.oita-u.ac.jp/ https://www.oita-u.ac.jp/
 

「矯正中は虫歯のリスクが高くなると言われているので、デンタルフロスを使いたいと思っているけどどうやって使うのかわからない」

このような疑問をもつ方は多いかと思います。

矯正中は虫歯のリスクが高くなる傾向にあるので、普段よりもしっかりと口腔ケアをする必要があります。

今回は、デンタルフロスの必要性や、種類や使い方についてもお伝えしていきます。

「フロスの使い方について詳しく知りたい」という人はぜひ、最後までご覧ください。

1.デンタルフロスとは

デンタルフロスは、細い繊維を重ねて糸状にした口腔清掃補助器具です(「糸ようじ」と呼ばれることもあります)。

デンタルフロスを使うと、歯ブラシだけでは落とせない歯と歯の間の汚れを効率的に落とすことができます

歯ブラシはむし歯や歯周病の予防方法の基本ですが、歯ブラシだけでは歯と歯と間の汚れは落としきることができません。

歯ブラシに加えて、デンタルフロスを使用することで、お口全体の汚れを落とし切ることができます。

なお、デンタルフロスにはゆびに巻きつけて使うロールタイプと、あらかじめ取っ手がついているホルダータイプがあります。

2.デンタルフロスの必要性やメリット

デンタルフロスは、歯ブラシの届かない部分の汚れを落とすことができます。

具体的にデンタルフロスを使うことでどのようなメリットがあるのか、以下で詳しく解説します。

(1)虫歯や歯周病を効率的に予防できる

1つ目のメリットは「虫歯や歯周病を効率的に予防できる」ことです。

虫歯や歯周病は、歯の表面や歯と歯茎の間の溝についた磨き残しが原因で生じます。

歯ブラシで除去するのが難しい、歯と歯の間の「磨き残し」は、デンタルフロスによって効率的に除去することができます。デンタルフロスは、虫歯や歯周病の予防のために効果的なのです。

(2)口臭の予防や改善ができる

2つ目のメリットは「口臭の予防や改善ができる」ことです。

前述したとおり、歯ブラシだけだと歯と歯の間に「磨き残し」が生じます。

磨き残しは、虫歯菌や歯周病菌の発生原因になるだけでなく、口臭の悪化の原因にもなります

歯ブラシに加えてデンタルフロスを使用することで、口腔内の隅々の汚れを落とすことができ、口臭の予防や改善ができます。

(3)虫歯や歯周病、被せ物などの状態を確認できる

3つ目のメリットは「虫歯や歯周病、被せ物などの状態を確認できる」ことです。

デンタルフロスを使ったときに「いつもより抵抗が少ない」「フロスが歯にひっかかる」「フロスが切れる」といった場合は、歯に何らかの問題が発生している可能性があります。

具体的には、虫歯で歯に穴が空いていたり、被せものが緩んで隙間ができていることがあるのです。歯と歯と間の虫歯は、変色や穴が見えにくく、早期発見が難しいです。

しかし、デンタルフロスを使えば、見えづらい虫歯などを早期に発見することができます。

また、歯周病によって歯茎が腫れている場合には、フロスをしたときに出血します。初期の歯肉炎による一時的な出血であれば、汚れを落とすことで改善され、徐々に出血は治まります。

しかし、継続的に出血する場合は、進行した歯周病の可能性があるので、歯医者で相談することをおすすめします

3.デンタルフロスの種類

デンタルフロスには、ホルダータイプロールタイプの2種類があります。以下でそれぞれ詳しく解説します。

ホルダータイプの特徴 ロールタイプの特徴
【メリット】
・フロスを扱いなれてない人(子どもなど)でも使いやすい
・大人が子どもの仕上げ磨きをしてあげる際も使いやすい【デメリット】
・フロスがゆるみやすい
・歯と歯の間がきつい人だとフロスを入れにくい
【メリット】
・歯と歯の間がきつい人でも使いやすい
・フロスの価格がホルダータイプより安く、コストパフォーマンスが高い【デメリット】
・初心者が扱いにくい

(1)ホルダータイプ(F型/Y型)

ホルダータイプとは、ホルダー(取っ手)にフロスが取り付けられたタイプのデンタルフロスのことです。

ホルダータイプは、はじめての方でも使いやすいのがポイントです。小さいお子様や高齢の方でも無理なく使えます。

また、大人が子どもの仕上げ磨きを行う際にも、使いやすいです。

しかし、ホルダータイプはフロスが緩みやすいため、歯と歯がきつい方ですと入れにくく、取りにくくなってしまいます。

勢いよくフロスが入ることで歯茎を傷つけてしまったり、フロスが外れない、というリスクがあります。

【ホルダータイプがおすすめな方】

  • 小さいお子さまや高齢者の方
  • はじめてフロスを使う方

※F型とY型の違い

ホルダータイプのフロスには、F型Y型という2種類があります。

Fの頭の部分にフロスが張ってあるものをF型、Yの頭の部分にフロスが張っているものをY型といいます。

F型は前歯に使用する際に使いやすく、Y型は奥歯に使用する際に使いやすいです。

(2)ロールタイプ

ロールタイプとは、巻き付けてある糸を引き出して使うタイプのデンタルフロスのことです。

ロールタイプは、指に巻き付けてしっかりとテンションを掛けることができるため、歯と歯のすき間がきつい人でも無理なく汚れを落とすことができます。

香りが付いているものや、水を含むと膨らむものなど、様々な種類があります。自分の好みの商品を見つけるといいでしょう。

30mや50m単位で販売していますが、一回に使用するのは20~40cm程度のため、ホルダータイプに比べてコストパフォーマンスが高い傾向にあります。

しかし、初心者でも使いやすいホルダータイプに比べて、ロールタイプは初心者が取り扱うのが難しいと思います。使用方法やコツについては、歯医者に行った際に教えてもらうと良いでしょう。

【ロールタイプがおすすめの方】

  • 歯並びがきつい方
  • 経済的に長くデンタルフロスを使いたい方

4.種類別・デンタルフロスの使い方

次に、ホルダータイプとロールタイプのデンタルフロスの使い方についてお伝えしていきます。

(1)ホルダータイプの使い方

①   デンタルフロスを歯と歯の間にあてる

使用したい部分にデンタルフロスを当てます。歯と歯の間に対して垂直にあてるのがポイントです。

②   ゆっくりと歯と歯の間に入れる

勢いよくフロスが入らないように注意してゆっくりとフロスを入れます。少し横に細かく動かしながら糸を入れるとスムーズに行なえます。

③   フロスを動かし歯面の汚れをこそぎ落とす

フロスを左右の歯面の押し付けるように動かし、汚れを落とします。フロスを歯の間に入れて出すだけでは汚れを落としきることができないので、こそぐようにフロスを動かしましょう

④   ゆっくりとフロスを外す

ゆっくりとフロスを外します。引っかかっている場合には、無理に引っ張るのではなく、一度戻し、角度を変えて外しましょう。

(2)ロールタイプの使い方

①   フロスを取り出し指に巻き付ける

一度の使用量の目安にあたる20~40cmを取り出し、両手の中指にグルグルと巻きつけ、指の間の長さを1cm程度にします。慣れない方は長めに取り出すと良いでしょう。

②   テンションをかけながら歯と歯の間にいれる

両手の親指や人差し指を使い、フロスをピンと張った状態で歯と歯と間にいれます。歯と歯の間に対して垂直にあてるのがポイントです。

③   フロスを動かし歯面の汚れをこそぎ落とす

フロスを左右の歯面の押し付けるように動かし、汚れを落とします。入れて出すだけでは汚れを落としきることができないので、ホルダータイプ同様、こそぐようにフロスを動かしてください。

④   ゆっくりとフロスを外す

ゆっくりとフロスを外します。引っかかっている場合には、中指に巻きつけているフロスを外し、横から抜くと良いでしょう

5.デンタルフロスの注意点

歯ブラシに加えて使うことで、磨き残しを少なくするデンタルフロスですが、使用する際には、以下のような注意点に気をつけましょう。

(1)歯茎を傷つけないように扱う

1つ目の注意点は、「歯茎を傷つけないように扱う」ことです。

デンタルフロスを使う際には、歯茎を傷つけないようにしましょう。デンタルフロスを入れる際に、勢いよく入れてしまうと歯間の歯茎を傷つける恐れがあります

そのため、デンタルフロスを入れる際にはゆっくりと入れてください。きつくてデンタルフロスが入りにくい場合には、ゆっくりと横に動かしながら滑り込ませるように入れるのがコツです。

(2)少なくとも1日1回の頻度で行う

2つ目の注意点は「少なくとも1日1回の頻度で行う」ことです。

少なくとも11回(可能であれば毎食後)はデンタルフロスを使うようにしましょう。磨き残しはそのままにしておくと固くなり取れなくなってしまいます。最低でも11回デンタルフロスを使うことをおすすめします。

(3)新しいフロスを使う

3つ目の注意点は「新しいフロスを使う」ことです。

デンタルフロスは常に新しいものを使うようにしましょう。毛羽立っていたり、ほつれたりしているフロスは、効果を発揮しにくいです。また、フロスが切れてしまったり、引っかかったりしやすくなります。

ロールタイプ・ホルダータイプともに、毎回新しいものを用意して使用しましょう。

6.デンタルフロスに関するよくある疑問

最後に、デンタルフロスに関するよくある疑問に対してお答えしていきます。

(1)デンタルフロスと歯間ブラシのどちらがおすすめ?

歯ブラシに加えて使う補助器具としては、デンタルフロスのほか、歯間ブラシもあります。歯間ブラシとは、細い楊枝の先にブラシが付いている形状で、歯と歯の隙間に直接いれて汚れをとる器具のことです。

デンタルフロスと歯間ブラシの違いは、以下の表のとおりです。

デンタルフロス 歯間ブラシ
特徴 ・糸によって歯についた汚れを落とす
・前歯、奥歯すべての歯の汚れを落とすことができる
・細いブラシによって歯と歯の隙間の汚れを落とす
・歯が接触している部分の汚れを落とすことはできない
・奥歯の汚れを落とすのは難しい(コツが必要)
おすすめの人・歯並び ・歯間部の隙間がそれほど大きくない人
・若い人
・子ども
・歯間部の隙間が大きく、フロスで汚れが取りにくい人
・ワイヤー矯正中でフロスが入りにくい人

(2)デンタルフロスを使って出血したが大丈夫?

歯周病や歯肉炎を持っている人は、デンタルフロスを使用した際に出血する場合があります。出血が続く場合は、歯科医院に相談するといいでしょう

ただ、フロスを使い始めの頃の出血としては、歯茎を傷つけてしまった出血以外にも、炎症を起こし腫れている歯茎に溜まった血が出る場合もあります。

フロスの使い始めの出血については、何日か継続して汚れを取っていくと次第に炎症は収まり、数日ほどで出血しなくなります。

(3)デンタルフロスと歯ブラシはどちらが先が良い?

歯ブラシを先に行い、磨き残しの部分をデンタルフロスで落とすようにしましょう。

デンタルフロスを先に行っても良いのですが、デンタルフロスで書き出した汚れが歯ブラシによって再度、隙間に押し込まれてしまう場合があります。

口腔ケアの仕上げにデンタルフロス、といったイメージで行うと良いでしょう。

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この記事では、デンタルフロスの種類や使い方、注意点などについて解説してきました。口元のケアに興味がある人のなかには、「歯並びに関する悩み」を抱えている人もいるかもしれません。

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