2023年1月、詐欺的な商法を行ったとして、医療法人社団「デンタルオフィスX」が患者153人から訴えられるというニュースが話題になりました。
この事件を受けて、「歯科矯正のモニター制度って大丈夫なの?」「どんなところに注意したらいいの?」「どんなトラブル事例があるの?」といった点が気になった人もいるでしょう。
この記事では、詐欺事件の概要やモニター制度の注意点、その他のトラブル事例、信頼できるクリニックの選び方などを解説します。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
目次
歯科矯正で詐欺的な商法と報じられた事例
近年、歯科矯正クリニックによる詐欺的な商法がしばしば問題となっています。以下では代表的な事例を2件紹介します。
①デンタルオフィスX
2023年1月26日、銀座などで歯科矯正クリニックを運営していた医療法人社団「デンタルオフィスX」や医師などが、詐欺的な商法を行ったとして、患者ら153人から提訴されました(出典:歯の矯正で「詐欺商法」、150人が提訴 「モニターで無料」うたう|朝日新聞)。
デンタルオフィスXは、「治療のモニターになれば治療費が実質的に無料になる」と患者に案内し、矯正治療を行っていました。
具体的には、はじめに患者がローンを組んで治療費を支払い、その後、クリニック側が毎月「モニター報酬」を振り込むというもので、デンタルオフィスXは「実質的に患者の負担はなくなる」と説明していました。
しかし、実際のところ、デンタルオフィスXによるモニター報酬の支払いは途中で止まり、都内のクリニックは閉院しました。
モニターを利用した患者は1,000人以上いるといいますが、報道によると、多くの患者が全てのモニター報酬を受け取ることができず、ローンを自ら返済しなければならなくなったそうです。
デンタルオフィスXのケースでは、患者側の治療費の損失はもちろん、治療が途中で終わったことによる健康被害(かみ合わせがズレたまま治療が終了していること)なども懸念されています。
②福岡市博多区のクリニック
2022年8月には、九州朝日放送で福岡県博多市にある無料モニター制度の問題が放送されました(出典:“被害額”は10億円!?歯科矯正トラブル「無料のはずなのに・・・」【アサデス】|九州朝日放送)。
この放送によると、福岡県博多市で歯科矯正を行っている「クリニックA(仮名)」でも、治療費が実質無料になるモニター制度でトラブルが発生したといいます。
デンタルオフィスXと同様、いったんは患者名義でローンを組み、後から毎月「モニター報酬」が振り込まれるという仕組みでしたが、このケースでも途中から振り込みがストップしたとそうです。
モニター制度とは
デンタルオフィスXのケースでも、福岡市博多区のクリニックのケースでも、歯科矯正における「モニター制度」で問題が生じています。
モニター制度とは、治療過程の写真を提供するなど患者がクリニックに協力することで、治療費の割引などを受ける制度のことです。
近年、モニター制度のトラブルが多く発生していますが、モニター制度全般が悪い制度ではありません。
モニター制度は、クリニック側・患者側双方にとってメリットがあり、後述する注意点を抑えれば、患者側も利用を検討してもよいお得な制度です。
【参考記事】
モニターの種類
モニター制度の種類としては、「症例写真の収集のためのモニター」と「アンケート収集のためのモニター」、「SNSの口コミを増やすためのモニター」の3つ種類が挙げられます。
- 症例写真収集のためのモニター:モニター患者から収集した写真は、クリニックのHPやSNSでの宣伝や、学会報告、他の患者への説明などで利用される
- アンケート収集のためのモニター:モニター患者から収集したアンケートは、サービスの改善や他の患者への説明用データのため利用される
- SNSの口コミを増やすためのモニター:モニター患者が投稿した口コミは、他のユーザーの参考になる
モニター制度の条件を確認し、自分に合ったモニター募集であることを確認すれば、利用を検討してもよいでしょう。
注意すべきモニター募集の特徴
しかし、上述した事件が発生していることからもわかるとおり、注意すべきモニター制度もあります。
具体的には、「特典の規模(金額)が大きく、実現可能性が低いと思われるモニター」を利用する際は注意しましょう。
歯科矯正では、高額な費用が発生します。マウスピース矯正の費用の相場は60~100万円、ワイヤー矯正の費用の相場は60~130万円ほどです(いずれも全体矯正の場合)。
こうした100万円以上の費用を全て(多くの患者の分を)クリニック側が負担するというのは、現実的に難しいといえます。
実際、弊社が調べてみたところ、ワイヤー矯正のモニター割引特典は4~8.5万円程度で、マウスピース矯正の割引特典は3~25万円程度でした(詳しくは下記記事で解説しております)。
【参考記事】
このように、モニター制度を利用する際は、モニター制度の割引の相場を理解したうえで、割引価格が高額かつ実現困難であると考えられるモニター制度の利用は控えるようにしましょう。
その他のトラブル事例
また、歯科矯正では、矯正が失敗するなどのリスクがあり、それが元になってクリニックとトラブルになるケースもあります。
主な失敗事例としては、以下の7点が挙げられます。
独立行政法人消費者生活センターの報告では、「治療が1年で終わると案内していたが、実際には1年以上かかると医師が認識しており、説明義務違反による不法行為が認められたケース」が報告されています(出典:暮らしの判例|国民生活センター 消費者判例情報評価委員会)。
歯科矯正における失敗では、矯正にかけた費用や期間が無駄になってしまうだけではなく、噛み合わせの悪化や歯根の露出など、健康被害まで生じてしまいます。
歯科矯正を検討している人は、失敗事例に関する知識も含めて学んでおく必要があります。上記の失敗事例の詳細や原因、対策方法については、下記記事で解説しています。
【参考記事】
信頼できるクリニックを選ぶ6つのポイント
では、こうした詐欺やトラブルを避け、安心して矯正治療を受けるにはどうすればよいのでしょうか。
具体的にチェックすべき項目としては、以下の6点が挙げられます。
- 日本矯正歯科学会の認定医(認定医など)が在籍しているか
- コミュニケーションをしっかりとれる医師か
- どんな矯正方法が自分にあっているか
- 自分にあった費用(支払い方法)か
- トラブルが生じた場合の相談体制が整っているか
- 歯科矯正の設備が整っているか
特に重要なポイントとしては「コミュニケーションをしっかりとれる医師か」どうかです。
歯科矯正では、矯正中に歯の痛みや違和感、矯正装置の不具合などがしばしば生じます。その際、すぐに相談が行えて、対応してもらえる体制が整っていると安心して治療を受けることができます。
しかし、クリニックの忙しさなどの事情により、すぐに対応できないクリニック/医師もいるでしょう。
そのため、コミュニケーションをしっかりとれるクリニック/医師かどうかを確かめる必要があるのです。具体的には、HPを確認したり無料相談を行ったりしつつ、以下の3点を確かめるといいでしょう。
- 休診日が多くないか
- 待ち時間が長くないか
- 治療前の説明を丁寧に行ってくれるか
確認事項に関する詳細については以下の記事で詳しく解説しています。
【参考記事】
歯科矯正の詐欺に関するよくある疑問
最後によくある質問に対して回答していきます。
そもそも歯の矯正はなぜ高いのか?
歯科矯正の費用が高くなるのは、保険適応されず、自費診療となるためです。また、矯正装置にかかる費用(材料費や技術費)が高いため、費用が高額になっています。
歯科矯正で使われる矯正装置(ワイヤー型やマウスピース型などさまざまな種類がある)は、専門的な知見に基づいた精密な設計が施されており、その分費用が高く設定されています。
また、歯科矯正では、既製品の矯正装置によって治療されるのではなく、一人ひとりの歯並びに合わせて矯正装置を微調整しているため、その技術費用(調整料)も発生します。
このような事情により、歯の矯正をする際は高い値段がかかるのです。
なぜ歯科矯正は保険適応外なのか?
歯科矯正は、「歯並びを綺麗に整えたい」といった審美的な目的によって行われているため、保険適応外となります。
保険診療はケガや病気の治療が目的で行われており、審美的な矯正治療はその対象外となります。
ただ、以下の条件を満たす場合に限り、歯科矯正においても保険適応がされます(出典:矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは|公益社団法人日本矯正歯科学会)。
- 「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
- 前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
- 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
噛み合わせの異常があったり、病名がついた疾患(唇顎口蓋裂やゴールデンハー症候群、鎖骨頭蓋骨異形成など)があったりする場合は、歯科矯正でも保険適応されます。
自分の歯並びが保険適応されるのか気になる人は、無料相談などを行っているクリニックもあるので、まずは専門家に相談してみましょう。
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歯科矯正の平均額はいくらか?
歯科矯正の相場は、マウスピース矯正だと60~100万円(部分矯正の場合は10~40万円)、ワイヤー矯正だと60~130万円(部分矯正の場合は30~60万円)です。
歯科矯正の平均額は、矯正方法の種類(マウスピース矯正 or ワイヤー矯正)や矯正範囲(全体矯正/部分矯正)によって異なります。
hanaraviでマウスピース矯正を行った下記の事例では、部分矯正を6カ月間行い、約30万円ほどの予算で歯並びを改善することができました。
症状 | 正中離開(すきっ歯) |
---|---|
費用 | ¥300,000(検査代+処置代+アライナー代+リテーナー代込み) |
期間 | 約6ヶ月 |
年齢 | 31歳 |
性別 | 男性 |
治療内容 | 11番、21番が正中から離れている為、そこを優先的にマウスピースで動かしてで埋める。 それに伴い上下顎の軽度のガタツキを治療。 |
リスク | 歯を動かすことによって歯と歯肉との間に隙間ができてしまうことがございます。 この場 合は歯を削る処置を行い歯同士をより密着させて隙間を無くす処置をとります。 歯を動か すことによって歯根が短くなり、治療後に歯がグラグラしてしまう事が考えられます。 先 天的な要因でそのリスクが高い方にはレントゲンによる画像診断を行います。 矯正治療中 に歯に大きな力が加わると稀に歯の神経が死んでしまうことがございます。. 矯正治療に よって噛み合わせが変化し、顎関節症になってしまうリスクが考えられます。 多くの場合 は経過観察を行っていく中で自然に治っていきます。 |
このように、矯正方法の種類によっては比較的安い費用・短い期間で治療を行うことができるので、気になる人はまず無料相談から行ってみましょう。
【参考記事】
歯科矯正は医療費控除でいくらぐらい戻ってくる?
歯科矯正にかかった値段は、医療費控除の制度を利用した場合、総所得金額が330~695万円で1年間の医療費が50万円のケースだと8万円ほど還付金として戻ってきます。
還付金は、医療費控除の対象となる金額に対して所得税の税率を乗じて算出されます。
還付金=医療費控除額×所得税率
「医療費控除額」は、年間所得200万円以上の人だと、1年にかかった医療費から10万円を引いた金額にあたります(年間所得200万円未満だと所得の5%以上の金額を差し引く)。
所得税率は、年間の課税所得金額によって異なります。
課税所得金額 | 税率 |
195万円以下 | 5% |
195万円〜330万円以下 | 10% |
330万円〜695万円以下 | 20% |
695万円〜900万円以下 | 23% |
900万円〜1,800万円以下 | 33% |
このように、一年でかかった医療費と年間所得を明らかにすると、医療費控除を行うことができ、還付金という形で一部金額が手元に返ってきます。
気になる方はクリニックで医療費控除が受けられるか確認しましょう。
【参考記事】
5.安心して治療するならマウスピース矯正のhanaravi(ハナラビ)へ
月額3,600円(税別)から始められるマウスピース矯正のhanaravi(ハナラビ)なら、詐欺などが恐い人でも安心して治療を受けることができます。hanaraviは、信頼度の高いマウスピース矯正ブランドです。日本生命100%子会社であるニッセイ・キャピタルより出資を受け、日経新聞や毎日新聞、NHKなどメディアにも多数掲載されています。矯正を行うのは、マウスピース矯正にもワイヤー矯正にも詳しい専門の歯科医師のみ。LINEで相談できる体制も整っており、無料相談にも応じます。「マウスピース矯正に興味がある」という人はぜひ、一度hanaraviに相談してください。
その他のhanaraviの特徴
- 「定額制」で余計な費用負担ナシ
- 「経験豊富な歯科医師」が担あするため、失敗も少ない
- 「矯正後のイメージを見て契約」で、予定通りの矯正を実現
- 「マウスピース矯正」で痛みも少なく、見た目も気にならない
- 「リテーナー1回無料」でアフターケアも万全
- 「LINEサポート」で通院不要
- 公式LINEアカウントから費用目安のチェックや無料相談の申込ができますので、まずはお気軽にご確認ください。