市販のマウスピース矯正は危険!歯科矯正は矯正専門の歯科医院で

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。 https://www.med.oita-u.ac.jp/ https://www.oita-u.ac.jp/
 

インターネット等で矯正マウスピースをうたう商品がありますが、市販のマウスピースを使った矯正は絶対におすすめしません。

効果が期待できないどころか、歯に取り返しのつかないダメージを与える危険性すらあります。

この記事では、市販のマウスピースの危険性や、安全な歯科矯正の方法を解説します。

1.市販のマウスピースで矯正は危険!推奨できない3つの理由

冒頭で、市販のマウスピースは危険でおすすめできないと書きました。すべての商品についてひとくくりで言い切ることを、乱暴に感じられるかもしれません。

しかし、安全で効果のある歯科矯正を望むのであれば、市販のマウスピースはどれも使用するべきではありません。

ここでは、市販のマウスピースが歯科矯正にすすめられない3つの理由を説明します。

①そもそも矯正を目的とした製品ではない

まず押さえておきたいポイントは、すべての市販のマウスピースは歯科矯正を目的とした商品ではない、ということです。

そもそもマウスピースは歯の保護が主な目的でした。
例えばスポーツなどの際に歯に強い衝撃を受けないように装着して守ったり、歯ぎしりによる刺激を和らげるために装着したりといったことが主な使用目的です。

当然ですが、このように歯の保護を目的としたマウスピースに矯正効果はありません。
歯を守りたいだけなのに、歯の位置が勝手に動いたりしたら大変です。歯科矯正を目的としたマウスピースとは、全く別の器具です

②矯正目的をうたっている場合も、矯正効果はない

市販のマウスピースの中には矯正を目的とした商品であるとうたっているものもあります。しかし、これらの商品に歯科医院で行うような歯科矯正の効果はありません。

「軽度の矯正を目的としています」などと記載されている場合もありますが、矯正効果があるように見せかけているだけで効果は保証できません。

そもそも歯科矯正は、法律上かならず歯科医の診断のもと作成するものであり、市販で購入できるものではありません。

③歯科医師による定期的な診断がないため危険

前項で説明した通り、歯科矯正は歯科医の診断のもと行うべきものです。 医師の診断なしに市販のマウスピースで矯正をすることは大変危険です。

短期間に強い力で歯を動かすなど、無理な歯の移動を行った場合、歯茎や神経にダメージが生じたり、歯根(歯の根っこ)が溶けたりするなど歯の寿命を短くするリスクが増大します。

歯科矯正では、歯に弱い力をゆっくりと加え、歯と歯槽骨(歯を支える骨)の代謝を促し、同時に伸縮した歯根膜(歯と歯槽骨のあいだにある組織)が元の厚さに戻る期間などを計算しながら歯を動かしていきます。

こうした歯や骨、歯周組織に関する専門的な知識は、歯を動かす矯正において必須な知識にあたります。そのため、市販のマウスピースを使って自力で矯正を行うことは危険なのです。

市販のマウスピースを用いて自分で行う場合、効果が出ないばかりか、以下のことが起こる可能性があります。

  • 歯並びが悪化するなど、審美的な問題が生じる
  • 噛み合わせが悪化するなど、歯の機能的な問題が生じる
  • 歯根が短くなったり、歯が抜けたりするなど、歯の健康を害する問題が生じる

このような結果になってから歯科医院に飛び込んでも、もう治療の施しようがないこともあります。

自分の体を守るためにも、矯正治療は必ず、信頼できる歯科医院で行うようにしましょう。

2.市販のマウスピース矯正とクリニックのマウスピース矯正の違いを比較

前章では市販のマウスピースの危険性について紹介してきましたが、改めて市販のマウスピースと歯科矯正用のマウスピースの違いについて、まとめて解説していきます。

【市販と歯科矯正用マウスピースの比較表】

 

歯科矯正用の
マウスピース

市販の
マウスピース

目的

歯並びを矯正する

睡眠中の歯ぎしり抑える
スポーツ等で歯を保護する

特徴

医師の診断のもと、
オーダーメイドで作成

ドラッグストアや
通販で購入可能。

医師による
診断

必須

なくても購入できる
製品もある

使用方法

経過に応じて付け替えつつ、
数ヶ月~2年ほど継続

買い切り

①目的の違い:市販のマウスピースは矯正目的の商品ではない

最も大きく異なるのは、目的です。

市販のマウスピースの目的は、主に睡眠中の歯ぎしりをおさえたり、激しいスポーツで、体が接触した際に歯が欠けてしまうのを保護したりするためのものです。市販のマウスピースは、歯並びを矯正する目的で使用することはできません。

前章でも説明しましたが、たとえ「美容効果があります」と記載されていたとしても、市販のマウスピースで歯列矯正をすることはできません。

専門の歯科医師の診断を受け、矯正用のマウスピースを用意してもらうようにしてください。

②作成方法の違い:市販のマウスピースは患者の歯に合わせたものではなく、矯正効果はない

市販のマウスピース矯正はドラッグストアやインターネットなどを通じてマウスピース矯正キットを購入し、基本的に自分で型取りをして作成します。

一方、歯科医院でのマウスピース矯正は、専門の医師による診断をもとに矯正の計画を作成し、それに基づいて、患者さんひとりひとりに合わせたオーダーメイドのマウスピースが作成されます

また、マウスピースは一回作って終わりではなく、矯正の様子をみながら何回か作成されます。

③治療プロセスの違い:市販のマウスピースは医師による効果のチェックや調整がなく危険

市販のマウスピースは一般的にキットを買い切り、そのまま使います。そもそも歯列矯正を目的としていないので、使用後の医師の診察は必要ありません。

一方、歯科矯正用のマウスピースは、一度作成したマウスピースを着用したあとも、定期的に医師による確認が行われ、状態に応じた細かい調整が行われます。

hanaravi(ハナラビ)の歯科矯正では、LINEを通じて矯正の進行を確認し、適切な調整を行っています。相談や質問を24時間体制で受け付けており、従来のように病院に行く手間も省きながら、手厚いサポートを受けることが可能です。

 

④価格の違い:市販のマウスピースは安価だが、あくまで歯ぎしり等の改善用

市販のマウスピースは、歯の保護や歯ぎしりの防止のみを目的としているため比較的安価で、数百~数千円のものがほとんどです。

一方で、歯列矯正用のマウスピースは、個々人の歯の状態や、医師による矯正の計画に応じて、オーダーメイドでマウスピースが作成されます。医療目的である分、価格としては市販より高価となります。

市販のマウスピースをはじめ、「安く矯正ができる」というメッセージをうたうものもありますが、自分の体の一部を動かす歯列矯正だからこそ、きちんとした医師によって安全性や効果を考えられたものを利用すべきです

また、一般的に「値段が高い」と言われている歯科矯正ですが、安く抑える方法もあります。たとえば、歯科矯正には「全体矯正」と「部分矯正」という矯正範囲別の種類がありますが、マウスピース矯正の部分矯正の値段の相場は10~40万程度です。60~100万円の全体矯正と比べて、50万円ほど相場の料金が安くなります。

他にも以下のような方法によって値段を抑えることができます。

  • 軽度~中程度の歯列を矯正する場合は、部分矯正やマウスピース矯正を行う
  • 矯正器具の見た目が気にならない場合は、表側矯正でメタルブラケットを選ぶ
  • 日本矯正歯科学会の認定医など、経験豊富な医師を選ぶ
  • リニューアルなどのタイミングが合えば、モニター・キャンペーン料金で矯正を行う
  • 医師の診断がもらえる場合は、保険適用で矯正を受ける
  • デンタルローンや院内独自の分割払いなど、お得な支払い方法があるクリニックを選ぶ

※値段を安くする方法に関する詳細な解説はこちらの記事で確認してください。

安い料金で歯科矯正を行う方法|歯科医院の選び方や費用相場なども紹介

hanaraviでは、月々3,600円(税別)から行えるデンタルローンなどを利用し、負担額を減らすこともできます。
大切な歯のことだからこそ、専門家によるきちんとしたサービスを検討するようにしてください。

3.きちんと歯列矯正したいなら、クリニックでマウスピース矯正を!

繰り返しになりますが、医師の診断がない市販のマウスピースに矯正効果はありません

歯ぎしりの防止やスポーツでの歯の保護などといった限定された目的でのみ使用し、歯科矯正を行う場合は必ず、専門の医師によるマウスピースを使うようにしてください。

hanaravi(ハナラビ)では、ワイヤー矯正・マウスピース矯正いずれにも詳しい、厳選された専門の歯科医師とのみ提携しています

矯正経験が豊富な医師が治療を担当するので、安心して矯正ができます。

また、月々3,600円(税別)※と、非常にリーズナブルな価格で歯科矯正を受けられます(※年利2.5%で91回払いの場合)。

歯は一生ものの財産

治療効果のない市販のマウスピースを使うのではなく、専門家を頼って、後悔しない結果を得られるようにしてください。

hanaravi(ハナラビ)では、専門的な経験と知識を有した歯科医師や歯科衛生士の元、プロによる安全で確実な矯正治療を行っています。治療内容は患者さんひとりひとり異なります。安心して治療を受けるためにも、ぜひお気軽にご相談ください。

無料診断を実施中。申し込みはこちらから

監修医師のご紹介
各務康貴(歯科矯正医)

各務 康貴(医師)

大分大学医学部卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事。若年層に予防や多くの臓器にアプローチするため口腔環境に興味を持ち、マウスピース矯正hanaravi(ハナラビ)を手掛ける株式会社DRIPS創業。

監修歯科医師のご紹介
セレスタ麻里子(歯科矯正医師)

セレスタ麻里子
(矯正専門歯科医師 渋谷F&B矯正歯科・東京

神奈川歯科大学歯学部卒。神奈川歯科大学歯学部歯科矯正学講座。日本矯正歯科学会。歯科矯正で15年のキャリアを持ち、ワイヤー矯正(表・裏)だけでなく、マウスピース矯正も専門とする。