受け口の矯正のケースの中には、外科手術が必要になり、費用が高額になるケースもあるので、治療の際は注意が必要です。
「受け口の矯正の費用相場はどれくらい?」
「保険適用できるケースもある?」
「安い矯正方法はなに?」
「子供の矯正の場合の費用は?」
といった疑問を持つ方は、本記事を参考にしてください。
この記事では、受け口の概要や放置するリスク、治療方法、受け口の治療例、よくある疑問などについて解説します。
目次
1. 受け口(反対咬合)とは
受け口とは、下の歯が上の歯よりも前に突き出た歯並びのことで、「反対咬合」とも呼ばれます。
骨格・歯並びの問題が遺伝して生じたり、舌で歯を押す癖などの悪習慣によって生じたりします。
なお、下記のとおり、受け口には原因別にさまざまなタイプがあり、それぞれ治療方法が異なります。
歯科矯正や外科手術を行って受け口を治療すれば、見た目の改善はもちろん、後述するさまざまなリスクを回避することができます。
症例の概要 | 治療方法など | |
①歯並びに起因する受け口 | ・上の歯が内側に倒れていて、下の歯が外側に倒れているなど、歯並びに問題を抱えたケース ・骨格や輪郭の問題を併発しているケースもある |
・歯列矯正によって歯並びの問題を解消する ・必要があれば外科手術が行われる |
②顎の骨格に起因する受け口 | ・下顎の骨に問題を抱えたケース。 ・例えば、下顎の骨が大きいケースや、前に突き出ているケースが挙げられる |
・顎の骨を切除するなどの外科手術により、骨格の問題を解消する ・同時に歯科矯正も行うケースも多い |
③顔の輪郭に起因する受け口 | ・顔の骨の成長不足など輪郭の問題により、下顎が前に出てしまっているケース | ・顎の骨/顔の骨を切除するなどの外科手術により、骨格の問題を解消する ・同時に歯科矯正も行うケースも多い |
(1)受け口を放置するリスク
受け口を放置するリスクは4つあります。
①虫歯/歯周病になる
受け口を放置すると、虫歯/歯周病になるリスクが高まります。
受け口の人は口が閉じにくく、唾液量が少ない傾向があるためです。
唾液には虫歯や歯周病の原因菌を流す機能がありますが、この唾液の量が低下することにより、虫歯などを発症しやすくなります。
②咀嚼が上手くいかなくなり、胃腸の消化機能に負担がかかる
受け口は、胃腸の消化機能に負担をかけることもあります。
例えば、噛み合わせに問題がある受け口は、しばしば咀嚼の問題が発生します。
不十分な咀嚼しかできない場合、食べ物を十分に消化・吸収できないため、胃腸に負担がかかってしまいます。
③顎関節症や肩こり、頭痛などの身体的な不調を被る
受け口によって噛み合わせに問題が生じていると、一部分の咬筋に負担がかかってしまうことがあります。
この状態を放置していると、顎関節症や肩こり、頭痛などの身体的な不調が発生する可能性があります。
実際、歯科矯正を行って噛み合わせを改善した人の中には、顎関節症などの不調まで改善できたケースが少なくありません。
④滑舌が悪くなる
噛み合わせの悪さは、滑舌の悪さにもつながります。
例えば、歯と歯の隙間から空気が抜けてしまったり、歯と舌が上手く接着できなかったりするケースでは、滑舌が悪くなってしまいます。
滑舌の悪さは、年齢が高くなるにつれて、社会的なポジションが高まるにつれて、気になってくるでしょう。
噛み合わせとともに滑舌を改善することができれば、人生のさまざまな場面において第一印象を改善することが可能になります。
2. 受け口を矯正する費用の相場|20万~400万円以上
歯科矯正によって受け口を治療する費用の相場は、20万~400万円以上です。
費用の相場のバラつきが大きい理由の1つは、歯科矯正が「自由診療」にあたるためです。
自由診療とは、保険適用外の治療のことで、かかる費用の全額が患者負担になる治療です
通常の診療と違い、費用の基準が制度によって定められていません。そのためクリニックによって費用の差が大きくなります。
加えて、歯科矯正は、矯正方法によって費用が大きく異なります。
概要 | 矯正装置の費用の相場 | |
表側矯正 | 歯の表側にワイヤーなどの矯正装置をつける方法 | 60万~130万円 ※部分矯正の場合は30万~60万円 |
裏側矯正 | 歯の裏側にワイヤーなどの矯正装置をつける方法 | 100万~170万円 ※部分矯正の場合は40万~70万円 |
マウスピース矯正 | 薄く透明なマウスピース型の矯正装置を使う方法 | 60万~100万円 ※部分矯正の場合は10万~40万円 |
なお、受け口の場合、顎の骨を切るなどの外科手術をともなう歯科矯正が行われることもあります。
こうした手術がともなう治療では、例外的に保険適用がされることもしばしばあります。
しかし保険適用が発生しない場合、外科手術で400万円ほどの費用がかかることもあります。
また後述するとおり、歯科矯正の治療費は、矯正前/矯正後にも発生し、それぞれケースによって金額が異なります。
「自分の治療費の総額が知りたい」という場合は、歯科矯正の基本知識を身に着けたうえで、矯正の専門知識・スキルを十分に持った医師に相談するのがおすすめです。
マウスピース矯正のhanaraviでは無料相談も行っているので、気になる人はお問い合わせください。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
(1)矯正前/矯正中/矯正後にも費用がかかる
歯科矯正では、実際に歯を動かす矯正中の期間とは別に、矯正前・矯正後にも費用が発生します。
例えば矯正前にはカウンセリングや精密検査、虫歯・歯周病の治療などにかかる費用が発生します。
また、矯正後には、動かした歯が元の位置に戻る「後戻り」を防ぐため、リテーナーと呼ばれる治療器具を使って「歯の保定」を行います。
矯正後には、このリテーナーなどにかかる費用が発生するわけです。
このように歯科矯正にかかる総額はわかりづらいので、治療前に医師と確認するのがおすすめです。
矯正前にかかる費用 | ・相談/カウンセリング料(0~7,000円) ・診断/精密検査料(0~30,000円) ・虫歯/歯周病治療費ないし抜歯費用(2,000円~30,000円) |
矯正中にかかる費用 | ・矯正装置の費用(10~170万円) ・通院費(3,000~5,000円/回) |
矯正後にかかる費用 | ・リテーナーの費用(30,000~60,000円) ・保定観察費(3,000~4,000円/回) |
(2)矯正期間中の費用は方法別に異なる
矯正期間中は、矯正装置の費用などが多く発生します。
以下では、代表的な矯正装置の特徴や費用、矯正期間などについて解説します。
①表側矯正(ワイヤー矯正)
表側矯正とは、歯の表側に矯正装置を装着し、ワイヤーの力で歯を動かしていく矯正方法のことです。
最も歴史の深い技術にあたるため、多くの症例に対応することが可能です。
特に歯を大きく動かさなければならない歯列の治療に適しているといわれています。
表側矯正の費用の相場は、60万~130万円です。
歯列全体ではなく一部の歯列を治療する「部分矯正」の場合は、30万~60万円と比較的安い費用で治療できます。
②裏側矯正(ワイヤー矯正)
裏側矯正とは、歯の裏側に矯正装置を着ける方法のことで、見た目が目立たない矯正方法になります。
表側矯正と同様、歯を大きく動かす必要がある歯並びや、抜歯の必要がある歯並びなど、多くの症例に対応可能です。
ただ、高い技術が必要になる矯正なので、費用が高い点がデメリットです。
裏側矯正の費用の相場は100万~170万円です。部分矯正の場合は、40万~70万円と比較的安くなります。
③マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、薄く透明なマウスピースを使い、歯を動かしていく矯正方法のことです。
費用が比較的安く済み、矯正中の見た目が目立たず、治療の痛みも少ないといったメリットがあり、近年人気の矯正方法です。
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と違って矯正装置の脱着が可能なため、口腔ケアがしやすく、口を清潔に保ちやすいです。
また、結婚式など大事なイベント時には矯正装置を取り外せるため、日常生活においても便利でしょう。
④外科矯正
受け口の治療では、外科手術が行われるケースもあります。
具体的には、顎の骨の一部を切除し、突き出た顎全体を引っ込める治療などを行います。
外科手術は、自由診療の歯科矯正と合わせて行われることが多いですが、ケースによっては例外的に保険適用がされることもあります。
保険適用されない場合、100万~400万円ほどの高額な治療費が発生します。
ただ、ケースによって金額は異なるため、気になる人は信頼できるクリニックに相談しましょう。
患者さんひとりひとりにあった、最適な矯正計画を提案します。
3. 受け口を矯正する際の支払い方法
受け口の場合も含め、歯科矯正を受ける際は、以下の支払い方法の違いに注意する必要があります。
- 処置別支払い制
- トータルフィー(総額)制
ここまでの解説を読んで気づいた人もいるはずですが、歯科矯正の総額を把握するのは難しいです。
加えて、矯正が思うように進まず、矯正期間が延長した場合には、通院にかかる費用や、矯正装置の調整費などの追加料金が発生することもあります。
しかし後述するトータルフィー制の場合、基本的に追加料金が発生しないため、安心して治療を受けることができるでしょう。
「はじめの想定より費用がかかった」と後悔しないためにも、支払い方法について理解することが重要です。
(1)処置別支払い制
処置別支払い制とは、治療を受けるごとに支払いを行う方法のことです。
治療が合わなかった場合に途中で辞めやすいなどのメリットもありますが、総額がわかりづらく、矯正期間が延長すると追加料金が発生するなどのデメリットがあります。
処置別支払い制で支払うモデルケースとしては、以下のものが挙げられます。このケースの総額は121万2,000円となります。
矯正前にかかる費用 | 矯正中にかかる費用 | 矯正完了後にかかる費用 |
・カウンセリング:無料 ・精密検査/診察:66,000円 ・虫歯/歯周病治療:なし ・抜歯:4本(5,000円/本) ⇒合計金額8万6,000円 |
・矯正装置料:900,000円 ・調整料:5,000円/回 ・矯正期間:2年間 ・通院頻度:1ヶ月に1回 ⇒合計金額102万円 |
・保定装置料:66,000円 ・観察料:5,000円/回 ・保定期間:2年間 ・保定期間中の通院頻度:3ヶ月に1回 ⇒合計金額10万6,000円 |
(2)トータルフィー(総額)制
トータルフィー(総額)制とは、はじめに提示された総額費用を支払う方法のことです。
トータルフィー制で示される「総額」には、通院費や調整料などが含まれます(クリニックによって「総額」の範囲が異なるため、カウンセリングなどで確認するようにしましょう)。
この支払方法は基本的に追加料金が発生しないため、費用面で安心して治療を受けられる、というメリットがあります。
例えば、トータルフィー制を導入しているhanaraviでは、以下の3つのプランから選んで治療を行います。追加費用は基本的に発生しません。
Basicプラン(軽度の歯並び) | ・月額3,600円(税別)/91回 ・あるいは一括払いで30万円(税別) |
Mediumプラン(軽~中程度の歯並び) | ・月額4,500円(税別)/113回 ・あるいは一括払いで45万円(税別) |
Proプラン(中度以上の歯並び) | ・月額6,300円(税別)/106回 ・あるいは一括払いで60万円(税別) |
4. 受け口の治療例|SNSの口コミ紹介
では、実際に受け口はどれくらい改善できるのでしょうか。
以下では、X(旧Twitter)の写真付きの投稿のなかから、受け口を治療した人の事例を紹介します。
2022.10.15 結婚式でした!
この日の為に矯正始めて、まだ終わってないけど、1年半でこんなに横顔が綺麗になると思わんくて、受け口も矯正で治って本当嬉しい🥹
笑った時下の歯が前じゃない!🤣
矯正やるかやらないかで悩んでるなら絶対絶対やった方がいい!!!#受け口#歯列矯正#下顎前突 pic.twitter.com/nSrDrerYVc— ゆず@美容垢、歯列矯正中 (@SakuraYuzu0225) November 6, 2022
私の🦷
20歳まで噛み合わせと歯並びがとても悪く矯正しました。噛み締めても前歯と下の歯がかみ合う事が出来ない開口と言うもので、正中のズレ、若干の受け口で歯列矯正をしました。
そして矯正が終わり8年後、また上下の隙間や正中のズレが気になり始めました💦治療しようか悩みます😭 pic.twitter.com/lYcRlqJddm— はな (@hana00believe) July 19, 2020
歯列矯正ビフォーアフター🦷
2019.5⇔2022.1(途中サボりました)矯正装置とネジがはずれました。
受け口も顎変形もかなり改善。
顔貌もEラインもかなり変わったし
口角もくちびるも割れなくなったし。しばらく透明のマウスピース生活。
歯の形も色もまだ仮歯だから
完成ではないけど、満足してる。 pic.twitter.com/6FfthUJlqM— うきょん (@kyon1o22) January 19, 2022
資料をもらったので載せます!
🦷矯正ビフォーアフター🦷
受け口治ってEラインが特に綺麗になった(^.^)❤︎
滑舌も良くなった(私の場合た行が言いやすくなった)ので歌いやすくなったのマジでありがたい
合計4本(左側5番と5番、右側5番と4番)抜いたので顎も小さくなったかな#待雪矯正計画報告 pic.twitter.com/M3OlqXPOcD
— 待雪アイリ❣会心ノ一撃🐇 (@irisnoichigeki) January 9, 2020
歯列矯正もうすぐ2年経過😭
ここまで受け口で野暮ったい口元がキレイになった
真顔でも口角が上がってるからムスッとしてるって言われること減った😭😭
100万かかったけど本当にやってよかった。#歯列矯正 #矯正 #矯正女子 pic.twitter.com/gSHdxtNSgp— R (@c1oud09) May 25, 2018
矯正前から矯正後までの歯の動きを動画で確認することができ、具体的な仕上がりイメージを確認したうえで矯正を始められます。
【3Dシミュレーションのイメージ】
5.受け口の矯正に関するよくある疑問
最後に、受け口の歯科矯正に興味がある人のよくある疑問に応えていきます。
(1)外科手術を行う場合は保険適用になる?
一般的な歯科矯正は保険適用外ですが、特定の条件を満たした顎変形症など保険適用されるケースもあります。
具体的には、以下の3点に該当する場合、保険適用が可能になります。
- 「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
- 前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
- 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
受け口の治療で保険が使えるか知りたい人は、無料相談を行っているクリニックもあるので、問い合わせしてみましょう。
(2)受け口の外科手術の入院期間は?
外科手術の入院期間は、平均で2週間ほどだといわれています。
ただ、ケースによって入院期間や入院するタイミングなどが異なるため、気になる人は専門の医師に相談を行いましょう。
(3)子どもの頃に矯正する場合の費用は?
子供の矯正の費用の相場は、20万~80万円ほどです。
子供の矯正では、顎の骨の成長過程を活かして治療を行える場合もあり、こうしたケースでは大人よりも効率的に治療可能だといわれています。
しかし、歯の生え変わりや、顎の骨の成長によって受け口が再発するケースもあるので、複数のクリニックに相談してから治療を始めると良いでしょう。
関連記事:子供の矯正費用の相場は?種類別やステップ別に解説|よくある疑問も
6. リーズナブルな費用で歯科矯正したいならマウスピース矯正のhanaravi
受け口の矯正の費用は、それぞれの歯並びによって異なります。
自分の歯並びの矯正費用が知りたい人は、無料相談などを行っているクリニックに問い合わせするとよいでしょう。
マウスピース矯正のhanaraviでも、無料相談を実施しています。
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