2023年9月29日、医療法人社団友伸會は、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けました。
友伸會は29施設を有する大規模な組織でしたが、マウスピース矯正「キレイライン矯正」の提供を停止したことがきっかけとなり、業績が悪化し始めたといいます。
この記事では、友伸會の民事再生の件について医師の筆者の視点で解説を行います。近年流行するマウスピース矯正の事情や、患者側として注意すべき点についても触れるので、歯科矯正に興味がある方は参考にしてください。
目次
1. 友伸會が自社再建を断念したきっかけとは
2023年9月29日、医療法人社団友伸會(以下、友伸會)は、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けました(参考:倒産・動向速報 医療法人社団友伸會|帝国データバンク)。
友伸會は、現理事長である坂下亨氏の個人歯科医院を法人化してつくられた組織です。
2002年の立ち上げ後、新規開院や他の歯科医院の譲り受けによって事業を拡大してきました。2015年8月末には10施設、その後は29施設まで成長を続けたといいます。
そんな友伸會の業績が悪化し始めたきっかけは、「キレイライン矯正」の提供の停止でした。
「キレイライン矯正」とは、マウスピース矯正ブランドの一つで、リーズナブルな料金で矯正治療が受けられる人気サービスです(詳しくは後述します)。
友伸會では、2017年からキレイライン矯正を使った治療を開始し、歯科矯正のサービスに比重を移していきました。これにより、多くの集客に成功したといいます。
しかし、キレイライン矯正は原価が高く、収益面での課題を抱えていたため、2022年7月から自社オリジナルの「ホワイトライン矯正」の開発・提供を開始しました。
しかしこれにより、想定以上に業績が悪化したといいます。以後、キレイライン矯正の提供を再開したり、金融機関に返済条件の変更を要請したりするなどの経営改善に努めましたが、自主再建は断念せざるを得なくなったそうです。
2. 今後のキレイラインの提供影響しない可能性が高い|友伸會でも引き続き治療が継続される見込み
前述のとおり、キレイラインの提供を中止したことにより友伸會の経営は悪化した、との情報が発表されています。
そのため、随分前から友伸會ではキレイラインではなくホワイトラインの提供を積極的に行っていたようです。
また、友伸會自体も別の法人からのスポンサーを受けて運営を継続するとの情報が出てきています。
そのため治療の停止などが生じるわけではなく、友伸會で治療を受けている患者さんも継続して治療が受けられる見込みです。
3 マウスピース矯正とは|2030年の市場規模は323億米ドル
2017年から友伸會が導入した「キレイライン矯正」は、マウスピース矯正の一種にあたります。
マウスピース矯正とは、薄く透明なマウスピースを使って歯を動かす矯正方法のことです。
マウスピース矯正では、下記の写真のように、少しずつ形の異なるマウスピースを製作します。
1~2週間ごとにマウスピースを交換しながら装着することで、歯を動かしていきます。
近年、マウスピース矯正は人気を集めています。下記の調査報告では、世界のマウスピース矯正装置の市場規模は、2030年までに323億米ドルに達すると予想されています。
「Grand View Research, Inc.の新しいレポートによると、世界のマウスピース型矯正装置の市場規模は2030年までに323億米ドルに達し、予測期間中に30.08%のCAGRを記録すると予想されています。」
(出典:マウスピース型矯正装置の市場規模、シェア、動向分析レポート:年齢別(成人、ティーン)、エンドユーザー別(病院、単独診療、グループ診療、その他)、地域別、セグメント別予測、2023年~2030年)
マウスピース矯正の人気は、これからも高まっていくでしょう。
従来の矯正方法と比較した際のマウスピース矯正の特徴としては、以下の5点が挙げられます。
- 矯正中の見た目が目立ちにくい
- 矯正装置を着脱することができる
- 従来の矯正方法より痛み・違和感が少ない
- 費用の相場が比較的安価(部分矯正なら10~40万円)
- 金属アレルギーの人でも治療が可能
さらにマウスピース矯正の詳細な情報が知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:マウスピース矯正とは?効果やメリット、ワイヤー矯正との違いを解説
3. キレイライン矯正とは|リーズナブルなマウスピース矯正
友伸會では、このように近年盛り上がりをみせるマウスピース矯正のブランドのひとつ、「キレイライン矯正」を導入しました。
キレイライン矯正は、2017年時点で11万人以上が利用した人気のマウスピース矯正ブランドです。
提携医院の数は100院以上あり、高いシェアを誇るサービスといえます。
キレイライン矯正の大きな特徴のひとつは、価格の安さにあります。
1回2万円でお試しの治療をはじめることができ、治療費の総額の平均は16~42万円ほど。
一般的なワイヤー矯正の相場が60万~130万円、マウスピース矯正の相場が60万~100万円かかることを鑑みると、キレイライン矯正の費用がいかにリーズナブルであるかわかります。
その他のキレイラインの主な特徴としては、以下の点が挙げられます。
- 前歯12本の矯正に特化しており、治療期間が短い(平均5カ月~1年3カ月程度)
- 3Dプリンターなどの最新技術を駆使した歯科矯正システムを導入
- LINEを使ったサポート体制を構築
- 矯正中のホワイトニングサービスの提供
こうしたリーズナブルかつ最新技術を駆使したキレイライン矯正を導入することにより、友伸會は多くの集客に成功しました。
関連記事:キレイラインの症例写真10選!事例や特徴、口コミ、よくある質問も
4. マウスピース矯正の注意点|矯正歯科の選び方
友伸會に限らず、近年では、マウスピース矯正を導入するクリニックが増えています。
しかし、それぞれのクリニックが持つ歯科矯正の知識・スキルには、バラつきがあります。
そもそも日本では、歯科医師免許を取得すると、法律で定められた診療科のうち、どの診療科を標榜しても良い制度がとられています(「自由標榜制」)。
これにより、たとえ歯科矯正の知識・スキルが不十分な歯科医師であっても、矯正歯科を名乗り、開業することが可能です。
知識・スキルが不十分な医師が治療を行った場合、以下のような歯科矯正のリスクが高まります。
- 予定通りに矯正が進まず、総額費用が膨らんでしまった
- イメージしていた歯並びにならなかった
- 噛み合わせが歪んでしまい、顎関節症を発症した
- 矯正後に歯が元の位置に戻ってしまった
- 歯の根っこ(歯根)が露出するなど見た目が悪化した
- 過度の歯根吸収などの健康被害が生じた
関連記事:歯科矯正でよくある7つの失敗事例!防ぐ方法と失敗後の対応も解説!
こうしたリスクを避けるためには、以下のような矯正歯科を選ぶポイントを知ることが重要です。
- 日本矯正歯科学会の認定医(専門の歯科医師)が在籍しているか
- 信頼できる医師/クリニックかどうか
- 自分にあった矯正装置を選ぶことができるか
- 自分にあった費用/支払い方法で矯正できるか
- トラブルが生じた際のフォロー体制が整っているか
- 歯科矯正のための設備が整っているか
さらに詳しく矯正歯科の選び方について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:矯正歯科の選び方を医師が解説!6つのポイントとよくある疑問も紹介
5. 後悔しない歯科矯正なら、経験豊富な医師が治療を行うhanaravi
友伸會の民事再建のニュースは、業界関係者に大きな衝撃を与えました。
歯科矯正を検討している人にとっても気になる事件だと思います。
ただ、そもそも以前から友伸會ではキレイラインの提供を中止していたため、キレイラインの提供自体には影響が薄いと考えられます。
また、友伸會自体もサポートを受けつつ運営を続けていくとのことです。患者さんにとっては不安があるかと思いますが、治療自体は引き続き提供されるのではないかと思います。
なお、我々hanaraviでは、マウスピース矯正・ワイヤー矯正どちらにも詳しい専門の医師のみが治療を担当します。
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